万年初心者のための世界史ブックガイド

2018年9月17日

桜井三枝子 編著 『グアテマラを知るための65章』 (明石書店)

Filed under: ラテン・アメリカ — 万年初心者 @ 04:18

労力を使わずに記事を書くには、このシリーズが一番だ。

(次いで山川出版社の世界史リブレットになる。)

歴史と政治に関する記述だけ読んで、後は全く無視しているんだから、そりゃ楽ですわ。

安易と言えば安易だが、しかしそれくらいで済ますしかない分野も確かにある。

中米諸国のグアテマラ、ベリーズ、ホンジュラス、エルサルバドル、ニカラグア、コスタリカ、パナマについてそれぞれ通史1冊ずつ読め、と初心者に強いるのは無理と言うもんです。

かと言って、ラテン・アメリカ通史の中の断片的な記述では不充分だし、結局本書のようなものを飛ばし読みするのが一番適切になってしまう訳です。

 

 

グアテマラはメキシコのすぐ南にあり、東隣のベリーズと並んで中米諸国では最も北にある国(もちろんメキシコ自体は除いて)。

首都は国名と同じくグアテマラ市。

マヤ文明の中南部が現グアテマラの地に存在。

現在も混血のメスティーソではなく、先住民マヤ族が人口の6割を占め、多数派を形成。

アステカ帝国を滅ぼしたコルテスの部下アルバラードがグアテマラの先住民を征服、総督に就任。

先住民の保護と改宗を条件に貢納と労働力の使用を許すエンコミエンダ制が敷かれた後、賦役を割り当てるレパルティミエント制に移行したが、先住民保護は徹底せず。

1821年中米連合の一員として独立。

一時メキシコとの併合を目指す動きがあったが、皇帝イトゥルビデ失脚によって破綻、その後の1823年の完全独立宣言の方が現在では重視されているという。

1838年中米連邦共和国は分解、グアテマラも分離独立。

保守派と自由主義派が対立し、軍の頭領カウディーリョがしばしば専制的支配を敷くのは、他国と同様。

東隣ベリーゼにイギリスが入植、グアテマラは協定で同地を割譲、ベリーゼは中米唯一のイギリス領となり、他地域から大きく遅れて1981年ベリーズとして独立。

コーヒー栽培が発展、中米再統合主義が生まれたが、他の中米諸国とアメリカ、メキシコの反対で挫折。

1898~1920年大統領のカブレラが独裁者として君臨、ユナイテッド・フルーツ社にバナナ栽培プランテーションの為に広大な土地を譲渡、自国の中に外資企業国家の飛び地領が存在するような状態になってしまう。

1931~44年にはウビコも独裁的統治を敷くが、対外債務減少と経済発展では功績を残す。

1944年ウビコ失脚後も続いた軍人政権に対するアルベンス・グスマンら若手将校の蜂起が成功、大統領アレバロを長とする進歩派政権が成立。

続いて51年大統領となったアルベンスが、ユナイテッド・フルーツ社はじめとする外国資本大企業の経済支配を排し、土地改革を行おうとするが、冷戦激化時代の反共政策を採り、自国の覇権下にある地域での左派政権に過敏になっていた米国および国内保守派と軍の反対で、54年アルベンス政権はクーデタで崩壊。

以後旧体制に逆転、長期間軍政が敷かれ、60年代から左派ゲリラとの内戦が勃発、1996年の和平協定締結まで多くの犠牲者を出す。

80年代半ばからは文民大統領が就任、とりあえず民主体制が続いている。

同国では、ノーベル文学賞受賞作家アストゥリアスが一番の有名人か。

 

 

まあ、こんなもんでいいでしょ。

これだけ読み取れば十分。

グアテマラと聞いて、国の位置と以上のようなことさえ頭に浮かべば、社会人の一般常識として恥ずかしくない。

これで終わりにしますが、このシリーズ、書名一覧で難易度を付けるときに悩むんだよなあ。

歴史と政治の章だけを、しかも精読せず飛ばし読みするだけなら「易」に決まってるんだが、自分がやってない全編通読なら少なくとも「中」にはなる。

最近は「中」を付けてるし、本書もそうしますか。

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