万年初心者のための世界史ブックガイド

2017年12月15日

間宮陽介 『市場社会の思想史  「自由」をどう解釈するか』 (中公新書)

Filed under: 思想・哲学 — 万年初心者 @ 04:41

薄い、経済学史・経済思想史の本。

もともと放送大学用のテキストで、全15章のうち4章は他の人の執筆だったのを、今回著者の文責で単著扱いにしたという。

実はこれ再読です。

初読の際には、何ともありきたりな教科書的著作に思えて、即座に記事にすることはしなかった。

しかし再読してみると、思ったよりも特色がある。

自由市場メカニズムへの肯定と懐疑を交互に繰り返してきた経済学史の中で、後者に属する、歴史学派のリスト、制度学派のヴェブレン、経済人類学のポランニー、ケインズ主義を評価していることが読み取れる。

前者の系譜の中でも、アダム・スミスの自由主義と、マネタリストおよび合理的期待形成学派の自由放任主義を区別し、その自由概念の違いを明確にしている。

あとは、現在の新古典派経済学の源流となった、ジェヴォンズ、ワルラス、メンガーの限界(効用)革命についての記述が比較的詳しいのが特徴。

そこでは唯一数式による説明があり、私にとって苦手中の苦手だが、まあ説明の意図自体は全く理解できないこともない。

 

 

それほど悪くはないが、同じ著者の『ケインズとハイエク』が圧倒的に面白かったのに比べれば、雲泥の差がある。

まず、『ケインズとハイエク』を読むことをお薦めします。

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