万年初心者のための世界史ブックガイド

2017年9月2日

アルベール・カミュ 『ペスト』 (新潮文庫)

Filed under: 文学 — 万年初心者 @ 05:40

アルジェリアのオラン市がペストの流行に襲われ、市全体が閉鎖・隔離される。

次々と病魔に斃れる市民を前に、奮闘する医師とその仲間たちを描く。

その事態を、かつてのように神による懲罰として受動的に受け入れるのはもはや不適切であり、信仰の有無に関わらず、狭いイデオロギーに拘ることもなく、全ての人々の連帯によって立ち向かわなければならないことを示した作品。

「ペスト」というのは様々な社会悪の象徴なんでしょうが、それが外部からもたらされた害悪という印象を受けるのがやや不満だなと思っていたら、医師の盟友がそれに関することを話すシーンが出てきた。

私ごときが思いつくことを、この偉大な作家が考えない訳がない、とやや赤面しました。

登場人物の思想についてよくわからない部分もあったが、解説を読むと、ああそういうことか、と思えないでもない。

これは『異邦人』に比べて、まだ初心者でも分かりやすいか。

少なくとも私はそう感じた。

もちろん私の能力では十分にその真価を理解したとは言えないが。

まあ、教科書にも載っている代表作を読めて良かった。

しかし、カミュもこれで「打ち止め」です。

『転落』『追放と王国』『シーシュポスの神話』等、他の作品を読むことは、この先まず無いでしょう。

でも戯曲の『カリギュラ』はひょっとしたら読むかなあ。

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