万年初心者のための世界史ブックガイド

2016年8月29日

大嶽秀夫 『ニクソンとキッシンジャー  現実主義外交とは何か』 (中公新書)

Filed under: アメリカ, 国際関係・外交 — 万年初心者 @ 04:53

1969~1974年の任期中に、ヴェトナム撤兵、米中接近、米国・ソ連間デタントという三つの顕著な外交実績を上げた米大統領ニクソンとその安全保障担当補佐官キッシンジャーの世界認識と対外行動方針を考察した本。

叙述対象は、最初と最後の総括的概論を除けば、上述の三つの業績のみで、第四次中東戦争と石油ショックへの対応、沖縄返還と頭越しの米中和解および通貨変動相場制移行をめぐる日米関係、ブラント政権の東方外交をめぐる米・西独関係の協調と軋轢については、ほとんど記されていない。

分量はコンパクトで、まず負担にならないレベル。

それでいて説明は丁寧で要領が良く、文章も簡潔かつ明解で読みやすい。

ニクソン・キッシンジャー外交はおおむね肯定的に評価されてはいるが、その限界や失敗も見逃されてはいない。

史実の解釈や人物の評価にも違和感はほとんど感じない。

初心者向けの良好なテキストになると思われます。

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