万年初心者のための世界史ブックガイド

2016年2月23日

門谷建蔵 『岩波文庫の赤帯を読む』 (青弓社)

Filed under: 読書論, 文学 — 万年初心者 @ 04:34

1997年刊。

岩波文庫海外文学の「赤帯」を、60歳近い市井の一読者である著者が、買いまくって読みまくった記録をそのまま本にしたという怪著。

16ヶ月で1100冊(800点)を約四十万円で買い、少なからず読んだという。

著者の独断と偏見による分野別ベストなども面白い。

(キリスト教的記述を無条件で切り捨てるのにはやや違和感があるが。)

本書を手元に置いて、時たま開き、読書意欲をかき立てるのも良い。

私の好きな小説は歴史小説である。それも主人公は歴史上の人物ではなく別にいて、あくまでも正確な歴史的事実と時代的描写を背景に、別の面白い物語が展開されるのがいい。英雄の横顔がちらっとみえるのが好ましい。例えばバルザックの『暗黒事件』でのナポレオンやフーシェである。A・K・トルストイ[レフ・トルストイとは別人――引用者註]の『白銀公爵』では、イワン雷帝はですぎるのでボリス・ゴドゥノフがいい。『三銃士』や『パルムの僧院』は、あまりに架空で歴史を離れているから面白くない。ツワイクの『マリー・アントワネット』『ジョゼフ・フーシェ』は、歴史そのものすぎてつまらない。『静かなドン』は面白かった。トルストイの『戦争と平和』にはおおいに期待しており、一番最後にとっておく。

『神々は渇く』もそういう私の好きな種類の歴史小説である。・・・・・

以上の引用には深く共感する。

私も「歴史そのまま」と「歴史離れ」の中間に位置する小説が一番好きです。

上記例の他では、プーシキン『大尉の娘』などがそれに当る。

加えて何といってもシェンキェヴィチ『クォ・ヴァディス』がそう。

『神々は渇く』と並んで、歴史小説の最高傑作です。

 

 

読書ノートを書くことについて。

本書の内容を書くために読むという誘因が働く、と書かれてある。

私もこのブログをやったおかげで、読書量が激増しました。

著者曰く、原稿用紙5枚を取り、題・岩波文庫の整理番号のあと、いつ、どこで、いくらで買ったか、映画化されたものを見たとか、昔の再読だとか、そういう記述で何とか1枚半を埋めたといい、1冊で1枚の感想を書くのも最初は無理だと思っていたそうだ。

面白いか下らないか、保存するかしないか、くらいで昔は済ませていたという。

私もそれだけならかなり楽だ。

本当に読むだけでいいから。

あとはタイトルを記録して読んだということを確実にわかるようにするだけ。

史書と違って文学書ならそれでもいいかと思うが、しかし何も身につかない感じがどうしても付きまとう。

ものすごく大雑把でいいから、登場人物名と粗筋と背景を記した上で、自分の作品への評価を残すという形が良いのかも。

このブログの文学カテゴリの記事も概ねそうしている。

面倒ですけどね・・・・・。

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