万年初心者のための世界史ブックガイド

2015年4月9日

ギュスターヴ・フローベール 『感情教育 上・下』 (河出文庫)

Filed under: 文学 — 万年初心者 @ 06:14

二月革命前夜のフランス、主人公の青年フレデリック・モローと、貞淑で美しい人妻アルヌー夫人、高級娼婦ロザネット、純朴な田舎娘ルイーズ、資産家の妻ダンブルーズ夫人という四人の女性との恋愛を中心に描かれた小説。

いつもの通り前半はややかったるい。

後半、二月革命勃発後の社会背景の描写はかなり面白い。

フレデリックの周囲にいる現状変革志向の人々に対する著者の目は相当冷ややかである。

身の程を弁えない空疎な理想主義とブルジョワ的俗物主義に社会が引き裂かれ、混乱を極める中、ついには自ら独裁を希求するようにすらなる民衆の姿がはっきりと読み取れる。

ユーゴー『レ・ミゼラブル』からは決して得られないリアリズムを感じた。

小説を読むのに予備知識を得ておくというのも変な話だが、実際トクヴィル『フランス二月革命の日々』マルクス『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』を読んでおけば、本書をより良く理解できると思います。

ちょっと量は多いが、中々良い。

『ボヴァリー夫人』よりこちらの方が個人的には好き。

恋愛小説としてだけでなく歴史小説としても読むことができるし、むしろその面が面白かった。

知名度は『ボヴァリー夫人』に劣るが、作品の価値は19世紀小説の代表作として同等ではないでしょうか。

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