万年初心者のための世界史ブックガイド

2015年3月18日

サン=テグジュペリ 『夜間飛行』 (光文社古典新訳文庫)

Filed under: 文学 — 万年初心者 @ 06:15

『星の王子さま』(『ちいさな王子』)の作者として有名。

1944年連合国軍の偵察機に乗り組んでコルシカ沖で消息を絶つ。

本書は南米での航空郵便事業に携わる人々とアルゼンチン・パタゴニアを飛ぶ飛行機の遭難の一日を描いた作品。

個人的な幸福や情愛を超えた、共同事業への責任と義務の必要を示唆し、付録のアンドレ・ジイドの序文の表現では「人間の幸福が、自由のなかにあるのではなく、責務を引き受けるなかにあるという・・・・逆説的真実」を示した作品。

そうしたモチーフには深く共感するのだが、どうもしっくりこない。

多分それは、航空事業という当時の最新テクノロジーの上に立ったフロンティア産業での営利を目的とした私企業で、公的規制を拒否して、パイロットや経営者のヒロイズムが発揮される話だからでしょう。

現在の行き過ぎた産業主義・資本主義の社会の様相を思い起こして、非常に嫌な気分になる。

130ページ程とごく短く、緊迫感のある文体で一気に読ませるが、どうしても心から感情移入は出来かねる。

まあ楽に読めたというだけで良しとします。

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