万年初心者のための世界史ブックガイド

2015年1月6日

片野次雄 『世宗大王のコリア史  ハングル創製と李朝文化』 (彩流社)

Filed under: 朝鮮 — 万年初心者 @ 16:33

韓流時代物ドラマの影響からか、ちょっと前まで雑学風の韓国史が雨後の筍の如く出ていた。

一般論として隣国の歴史を知ることは悪くないと思うが、あまり読みたいものはない。

これはその種の本とは違って、やや本格的なもので、著者は他に『戦乱三国のコリア史』『善隣友好のコリア史』『李朝滅亡』『日韓併合』などの通史物もあるが、あまり食指が動かないのは同様。

朝鮮史の人物についての単独の伝記は少ないので、これを読んでみた。

まずタイトルで、廟号に「大王」と付けるのに、すごい違和感あり。

韓国では普通の言い方らしいですが。

内容自体は特にどうということもない。

在位1418~1450年。

中国では明の永楽帝が在位、日本では室町幕府が安定期から動揺期に移り、ヨーロッパでは百年戦争など中世末期の混乱とルネサンスの始まりという時期。

世宗は太祖李成桂、2代定宗、3代太宗を継ぐ4代目。

この人は高校世界史でも名が出る。

と言うか、初代李成桂以外では、末期の高宗を除けば、出てくるのはこの人だけか。

教えられるのは訓民正音の制定者としてだが、他にも農業振興、天文学支援、銅活字作製、火砲改良の治績がある。

対外的には女真族を攻撃し北方国境を拡張、1419年には倭寇鎮圧を目的として対馬を襲撃(応永の外寇)。

応永と言えば、高校日本史で出てくる1399年の応永の乱もありますね。

この乱で敗死した大内義弘も朝鮮との交易で勢力を蓄えた。

日朝貿易は乃而[ないじ]浦(薺[せい]浦)・富山浦(釜山)・塩浦(蔚山)の三浦[さんぽ]で盛んに行われたが、1510年三浦の乱で衰える。

世宗の死後、子の文宗、孫の端宗が相次いで即位するが、文宗の弟世祖が端宗から位を奪う混乱があった。

 

 

ごく平凡な出来。

やや違和感を与えるトーンの記述もあり、特に読むべき本とも思えない。

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