万年初心者のための世界史ブックガイド

2014年12月14日

呉智英 『つぎはぎ仏教入門』 (筑摩書房)

Filed under: インド — 万年初心者 @ 05:49

インド史のカテゴリで、全体数の少なさに対して、不釣合いに多い仏教入門書に、またこれを加える。

以下、ものすごく適当な(所々自分でも意味不明な)箇条書きメモ。

人間の有限性の自覚と死への対抗として宗教が誕生。

仏教が「覚りの宗教」であるのに対し、キリスト教は「救いへの宗教」。

釈迦、孔子、ソクラテス、ゾロアスターの時代近似性(ヤスパースが「軸の時代」と呼んだことでも有名)。

初期仏教(原始仏教)が前283年頃、第二回仏典結集時に「根本分裂」。

上座部と大衆(だいじゅ)部に。

それぞれが小乗、大乗の源流。

ブッダの中に双方の傾向があった。

著者は、富永仲基以来定説の「大乗非仏説論」を肯定し、小乗仏教(これを蔑称として避けることはしない)を評価。

「金口直説(こんくじきせつ)」≒阿含経典⇒小乗の経典、「釈迦一仏論」。

ウパニシャッド哲学の梵我一如(大我と小我の合一)に対する仏教の無我。

大乗系の中で密教は梵我一如への指向あり。

ブッダ本人の思想は以下4つのみ。

縁起論、輪廻からの離脱、諸行無常・諸法無我(法=存在、我=本質)、不苦不楽の中道。

浄土教とキリスト教との類似性(密教・浄土教ともに大乗の中での変容)。

以上、メモ終了。

奇を衒っているようで、基礎知識を巧みに配列しているのは良い。

ただ著者のシニカルな筆致を痛快に思えなくなって久しいです。

結局この人の論説は、硬直した左翼的・進歩的な建前論が健在だったときには面白くて有益なものだったが、ここ十数年ほどの低俗・下劣な「本音主義」のような風潮下だと、ややありきたりに感じられる部分がある。

本書自体はいい方だと思いますが、著者の本を次々読んで他人にも薦めるという気には余りなりません。

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