万年初心者のための世界史ブックガイド

2014年11月20日

ラシーヌ 『ブリタニキュス  ベレニス』 (岩波文庫)

Filed under: 文学 — 万年初心者 @ 12:55

高校世界史でも出てくる、フランス古典主義劇作家の一人。

序でコルベールとその女婿への献辞が付いている。

分厚さにびびるが、半分が訳注と解説。

古代ローマ史に題材を採った史劇二編を収録。

まず『ブリタニキュス』は、史上悪名高い暴君、ローマ皇帝ネロン(ネロ)とその義弟ブリタニキュス(ブリタニクス)、ネロの実母アグリピーヌ(小アグリッピナ)らが織り成す悲劇。

母の羈絆を脱し、忠臣ブルスの諫言による一瞬の改心も空しく、佞臣の甘言を容れ、怪物的暴君へ変貌するネロの描写には緊迫感がある。

もうひとつの『ベレニス』は、ネロ死後の内戦を収拾したヴェスパシアヌス帝の息子で、名君として知られるティトゥス帝とユダヤ王女ベレニス(ベレニケ)の悲恋、コマジェーヌ(コンマゲネ)王アンティオキュス(アンティオコス)との三角関係が主題。

歴史モノなので面白く読めたし、迫力もある。

この大作家の作品に触れるには、適切で手ごろな本。

初心者にも十分お勧めできます。

予備知識が必須というわけではないが、可能ならば秀村欣二『ネロ』(中公新書)を読んでおいても良い。

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