万年初心者のための世界史ブックガイド

2014年6月20日

ディケンズ 『二都物語  上・下』 (新潮文庫)

Filed under: 文学 — 万年初心者 @ 16:27

これも、高校世界史での知名度は高い。

フランス革命を背景にした小説。

フランス貴族の生まれながら、それを嫌い英国に移住したチャールズ・ダーニー、旧体制の犠牲者である父を持つルーシー・マネット、やや自堕落ながらも高潔さと勇気も併せ持つ弁護士シドニー・カートンらが登場人物。

カーライルの『フランス革命史』に影響を受け、旧支配層の不正と抑圧、革命家の冷酷・残忍さの双方を叙述している。

しかし、旧体制の悪の描写が、余りにも戯画的というか漫画的で、文豪と言われる人にしてはちょっとどうなのか、と身の程知らずの感想を抱いてしまった。

だが、大革命が始まり、登場人物がその混沌に巻き込まれてからの、狂的で気まぐれな残虐行為に耽る快楽を「堪能」する群衆の描写はすごい。

途中からだんだん面白くなってきた。

伏線の張り方も巧いし、ラスト近辺の緊迫感と盛り上がりは相当のもの。

読後感はかなり良かった。

高校世界史ではディケンズの代表作と言えばこれだが、他の作品の方が優れているとの評価もあるようです。

だが、例えば『デイヴィッド・コパフィールド』なんかは長いし、初心者はひとまずこれを着実にこなしておけばいいんじゃないでしょうか。

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