万年初心者のための世界史ブックガイド

2014年6月5日

メルヴィル 『白鯨  上・中・下』 (岩波文庫)

Filed under: 文学 — 万年初心者 @ 16:05

原題は「モービィ・ディック」。

片脚を奪われたエイハブ船長が復讐の念にとり付かれ、伝説の巨大な白鯨を追う話、という極めて大雑把な粗筋は、大抵の人が知っているが、実際読んだ人は甚だ少ない作品。

海洋冒険リアリズム小説かと思うと、全然違う。

多くの人が指摘するように、何とも妙な小説である。

全編、非現実的・幻想的雰囲気が漂う。

鯨の生態や捕鯨業についての雑多な知識が割り込んできて、ストーリーが始終分断される。

章割りが細かいので、ペースはつかみやすいが、上記のような衒学的部分は、とばさずとも、かなり流して読まないと挫折する恐れがあり。

とにかく異様に読みにくい。

宗教的政治的比喩が多数あり、全体が何か深遠な寓意を秘めているのかとも思えるが、どうもピンとこない。

知識も感性も興味も無い私にはそれが読み取れない。

残念ながら、物語の面白さを満喫させてくれるというような小説では全然無い。

白鯨との最後の決戦描写の迫力には感心するが、量的には全体と比して極めて少なく、どうしてもあっけない印象を抱いてしまう。

初心者にとって、通読は相当苦しい。

半分くらいにまとめられたんじゃないの、などと身の程知らずの不遜な感想を持ってしまう。

「世界文学全集」の類には極めて頻繁に収録されているが、私には良さが全くわからない。

これを面白いと言う人の感性に(皮肉ではなく本当に)感心してしまう。

玄人向けの作品という印象。

これも読了した事実だけが収穫です。

評価は1を付けざるを得ない。

もちろん、これは作品の真価を感じ取れない私の感性の鈍さを示す数字と受け取って頂いて結構です。

広告

WordPress.com で無料サイトやブログを作成.

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。