万年初心者のための世界史ブックガイド

2014年4月13日

スタンダール 『赤と黒  上・下』 (光文社古典新訳文庫)

Filed under: 文学 — 万年初心者 @ 01:55

学生時代読んだものの再読。

主人公ジュリアン・ソレルの名は、ハムレット、ドン・キホーテに次ぎ、ジャン・ヴァルジャンやラスコーリニコフと並んで有名。

フランス王政復古期が舞台。

立身出世を熱望するナポレオン崇拝者の青年の成功と破滅を描く。

作者自身、ナポレオン戦争に従軍したという。

表題の赤は軍人、黒は僧侶を表すというのが通説。

ナポレオン没落後、前者の途を閉ざされた主人公が後者によってのし上がろうとする。

平民の子が少々の学問を得て、家庭教師、神学校、大貴族の秘書と社会的身分を上昇させていく。

当初は面白く、読みやすい。

それから中だるみの印象の後、急転直下の結末を迎える。

ストーリーの流れからして、極めて唐突な大事件が起きて、ラストの急展開。

構成が少し変に思えるくらい。

なるほど、そういう感じで終わりますか、という感じ。

恋愛心理小説と政治社会小説の両面があるが、そのうち前者は価値があまりわからず、後者にはあまり感心せず。

本作の行間から読み取れる、当時の上層階級への皮肉と批判は、彼らが下層階級と同じ虚栄心と金銭欲の虜となって真の上層階級では無くなったからこそ、生まれたものではないかと感じた。

上層階級に敵意を燃やし、下層から成り上がろうとする主人公にも大した共感は持てない。

学生時代、岩波文庫の古い訳で読んだ時よりは、相当読みやすく感じた。

しかし、全般的感想はあまり芳しくない。

教科書的なネームバリューから言って、これを読まないというのはありえないが、巻置くあたわずという気はしない。

まあ、絶対にこなしておくべき古典でしょうから、読了できただけで良しとします。

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