万年初心者のための世界史ブックガイド

2013年9月1日

増田義郎 『黄金の世界史』 (講談社学術文庫)

Filed under: アジア — 万年初心者 @ 16:01

この方は『古代アステカ王国』『インカ帝国探検記』などラテン・アメリカ関係、『太平洋 開かれた海の歴史』などオセアニア関係、加えて本書のようなどこにカテゴライズしていいのか迷うものまで(結局アジアにしましたが)、幅広い作品を書かれておられるようです。

(さらにマクニール『世界史』の訳者の一人でもありましたね。)

何が専門かと言うと、たぶんラテン・アメリカ史になるんでしょうが、広い範囲で執筆活動をされていること自体が優れた学者さんである証拠なのかも。

本書は、世界各地の古代文明における金・銀など貴金属の役割を紹介してから、地中海・インド洋世界での交流、大西洋時代への移行と近現代経済史の概説へと進む構成。

より具体的には・・・・・・書くことが無い・・・・・・。

断片的な記述でポイントがつかみにくい。

以下、いい加減で適当なメモ。

古代オリエント文明について、メソポタミアでは商業が大いに繁栄したのに対し、エジプトは閉鎖的で商業低調。

アレクサンドロス大王の東征以後、紀元前3世紀という時期に、ローマによるカルタゴの覇権打破、パルティア建国、マウリヤ朝アショーカ王即位、秦の中国統一という変動が起こり、そこからユーラシアの相互交流が活発化。

秦漢帝国とローマ帝国を比較した場合、人口でも生産力でも中国が優位にあったと記されている。

唐とイスラムによる東西交流が宋・元代の高度成長につながる。

西アフリカの金産出に触れた後、近代大西洋時代の記述へ。

アステカ・インカ征服による、西欧の金銀獲得。

16世紀半ばにペルー・メキシコの大銀山が開発、同時期日本も世界有数の銀産出国だったこともチェック。

それによってもたらされたとされる、いわゆる「価格革命」の真偽についても検証。

(価格革命については、玉木俊明『近代ヨーロッパの誕生 オランダからイギリスへ』(講談社選書メチエ)を参照。)

17世紀末よりブラジルで金発見。

この金は主に、1703年メシュイン(メシュエン)条約を結び、ポルトガルを経済支配していたイギリスの手に渡る。

1848年カリフォルニアのゴールド・ラッシュ、1851年オーストラリア、以後もアラスカ、カナダ、南アフリカで同様の事態が生じる。

19世紀から第一次世界大戦まで標準的な通貨制度となった金本位制だが、まず19世紀初頭のイギリスが採用。

他の主要国はそこからかなり遅れる。

1872年ドイツ、74年オランダ、78年フランス、79年アメリカ、97年ロシアと同時に日本も確立。

金本位制自体の評価はひとまず措いて、イギリスだけが突出して早く、あとは日本を含め、全てどっこいどっこいである。

高坂正堯氏が明治維新は「ジャスト・イン・タイム」だったと書いていたのを思い出した(引用文(高坂正堯2))。

これでメモは終わりです。

ちょっと私には良さが汲み取れない。

難解な部分は全く無いのだが、漠然とした内容が多く、まとまった、実のある知識が仕入れにくい。

楽に読めますが、あまりお勧めはしません。

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