万年初心者のための世界史ブックガイド

2011年2月15日

引用文(ハイエク1)

Filed under: 引用文 — 万年初心者 @ 06:00

フリードリヒ・ハイエク『隷従への道』(東京創元社)より。

しかしながら、われわれは民主主義を盲目的に崇拝されるものにしようなどとは思わない。・・・・・・民主主義はむしろ本質的には一つの手段であり、国内平和と個人的自由を保障する功利主義的な一つの道具である。民主主義はかかるものとして決して疑いのないものでもなく、たしかなものでもない。また独裁政治のもとにおいても、ある民主政治下よりもはるかにすぐれた文化的・精神的自由がしばしば存在していたことを忘れてはならない――そしてきわめて同質的で教条主義的な多数派からなる政府のもとでは民主政治が最悪の独裁政治と同様に圧迫的でありうるということは、少なくとも考えられる。・・・・・・

主要な価値がおびやかされているときに、民主主義に注意を集中する現代の流行は危険である。そのような流行は、権力の本源が多数の意志にあるかぎり、権力は恣意的ではありえないという誤った信念、根拠のない信念に主として基づいているのである。多くの人々がこのような信念から引き出す誤った確信は、われわれの直面している危険が一般に意識されないことの重要な要因である。権力が民主的方法で与えられているかぎり、権力は恣意的ではありえないという信念には正当性がない。そしてこのような叙述のなかに含まれている対照はまったく誤りである。権力が恣意的となることを阻止するのは、その源泉ではなくて、その限界である。民主的支配は権力が恣意的となることを阻みうるけれども、民主的支配が単に存在するということだけで、そのようにすることができるのではない。もし民主主義が、必然的に権力の行使を含む任務を果すときに、その権力が確固たる規則によって規制されえなければ、民主的支配は恣意的な支配となるに違いない。

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