万年初心者のための世界史ブックガイド

2010年6月13日

引用文(アリストテレス1)

Filed under: 引用文 — 万年初心者 @ 06:00

アリストテレス『政治学』(中公クラシックス)より。

現在多種多様の国家体制ができてしまっているが、これは、すべての人々は正義つまり比例的平等が行なわれなければならないとする原則において意見の一致をみているが、それを実際にどうするかということになると間違う(考えが分かれる)・・・・・からである。

すなわち民主制が生じてきたのは、なんらかの点で平等であればそれでもう絶対的に平等であるという人々の考えが基盤になっている――事実、人々は、自分たちがみんな自由市民という点で同等であることから、それでもう絶対的に平等であると思ってしまう――。

これにたいして寡頭制は、ある一点で優劣の差があればそれでもう無条件の差別があるのだとする考えが人々にあるところから生じてきたのである――事実、人々は、財産の点で優劣の差があれば、それでもう自分たちは絶対的に他の者とはちがうと思いがちである――。

そして、一方のものは自分たちが平等であるという考えで万事に平等の参与を要求する。これにたいして、他方のものは、自分たちはちがうという考えで「より多く」の配分を得ようとする――「より多く」はすなわち差をつけること(等しくないこと)だから――。

これら民主制、寡頭制いずれの体制も、ある意味の正当性はもっているが、しかし絶対的に正しいというものではない。これが原因となって、民主派も寡頭派も、その国政への参与のあり方が、かれらそれぞれがたまたまもっている正義観に合致しない場合、国内分裂(内乱)を起こすのである。

だが、同じ内乱を起こすといっても、徳の点で優越した人がそうするなら、それは誰の場合よりも正当なことだろう――もっとも、この人たちがそういう挙に出る可能性はほかの誰よりも少ないが――。なぜなら、この人たちだけは余人と同じでないことが絶対的だと見なしてすこしもさしつかえのない人たちなのだから。

広告

WordPress.com で無料サイトやブログを作成.

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。