万年初心者のための世界史ブックガイド

2010年6月6日

引用文(プラトン1)

Filed under: 引用文 — 万年初心者 @ 06:00

プラトン『国家 下』(ワイド版岩波文庫)より。

「・・・・・君も気づいていると思うが、年端も行かぬ者たちがはじめて議論の仕方の味をおぼえると、面白半分にそれを濫用して、いつももっぱら反論のための反論に用い、彼らを論駁する人々の真似をして自分も他の人たちをやっつけ、そのときそのときにそばにいる人々を議論によって引っぱったり引き裂いたりしては、小犬のように歓ぶものだ」

「ええ、異常なほどにね」と彼は言った。

「こうして、みずから多くの人々を論駁するとともに、他方また多くの人々から論駁されているうちに、彼らは、以前信じていたものを何ひとつ信じられなくなるという状態へと、はげしくまた急速に落ちこんで行く。そしてまさにこれらのことから、彼ら自身だけでなく哲学に関するすべてが、他の一般の人々から不信の目で見られることになるのだ」

「おっしゃることはこの上なく真実のことです」と彼は言った。

「しかし、もっと年輩の者なら」とぼくは言った、「そのような気違いじみたことをする気にもならないだろうし、遊戯のために面白半分で相手を反論する人を真似るよりは、対話によって真実を考察しようとする人をこそ真似るだろう。そして自分自身もより節度ある人間になるとともに、この営みを軽蔑から救って、より尊重されるものとすることだろう」

「それが正しいあり方です」と彼は言った。

「それでは、先に言われたこともすべて、このことの用心のために言われたのではないか?すなわち、こうした言論を習うことを許されるのは、生まれつきの素質において端正な、しっかりした人々でなければならず、現在のように誰でも行き当たりばったりの、まったく不適当な者がそこへ赴くことがあってはならないということだ」

「まったくそのとおりです」と彼は言った。

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