万年初心者のための世界史ブックガイド

2009年12月25日

猪木武徳 『戦後世界経済史 自由と平等の視点から』 (中公新書)

Filed under: 近現代概説 — 万年初心者 @ 06:00

中公新書の記念すべきちょうど2000点目。

今年5月刊。

経済史といっても、あまり難解な理論や複雑な数式は全く無く、細かな統計数字もほとんど出てこない。

地域・時代ごとの平易な概説で、私でも読める。

著者はたしか猪木正道氏の息子さん。

末尾の謝辞で「94歳の父」とあるので、年齢も合う。

第一章「あらまし」、全体の視点と問題意識の説明、戦後世界経済の変化の概観。

第二章「復興と冷戦」、マーシャル・プランと欧州復興、ソ連の農業不振とスプートニクなど科学技術上の成果、西ドイツ通貨改革と経済奇跡。

第三章「混合経済の成長過程」、日米経済紛争、米国のケインズ政策採用とその帰結、欧州統合と英仏伊スウェーデン各国経済の変遷。

第四章「発展と停滞」、中国の社会主義経済の挫折、東欧諸国の苦境、中南米・インド・アフリカ諸国の経済建設。

第五章「転換」、石油危機、スタグフレーション、東アジアの経済発展、80年代以降の新自由主義。

第六章「破綻」、80年代の中南米諸国累積債務問題、97年アジア通貨危機、社会主義計画経済の崩壊、地域経済統合とグローバリズム、07・08年以降の世界金融危機。

最後の「むすびにかえて」で、サブタイトルに関わる話をしてお仕舞い。

非常にわかりやすく、平易に書かれてある本だと思うが、正直に言うとこの程度でも私の頭では理解できない部分がある。

例えば87ページの西ドイツ通貨改革の叙述で、新・旧マルクの交換比率の内容説明が、悲しいかな、何度読んでもわからない。

全体的に便利ではあるが、ものすごく面白いといった感じでもない。

自分が不得意な分野で断定的なことは言わない方が良いのでしょうが、絶対必読本とまで言えない気がします。

ただ、同じ著者で、中公新版世界史全集29巻の、『冷戦と経済繁栄』よりは、本書の方が良いと思います。

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