万年初心者のための世界史ブックガイド

2009年11月23日

石川晶康 『NEW石川日本史B講義の実況中継 3』 (語学春秋社)

Filed under: 教科書・年表・事典 — 万年初心者 @ 06:00

2巻から即座に続けて読む。

江戸中期から明治末まで。

教科書とは角度を変えた説明や、普通バラバラに出て来る事項を関連付けて解説したり、重点ポイントを記憶に残るように強調したりしているのは、この巻も同じ。

これと『詳説日本史』(山川出版社)の記述を行ったり来たりすると、かなり理解しやすい。

江戸時代では、「17世紀後半に入って3代将軍家光(武断政治)から4代家綱(文治政治)へ」とか、「1716年、家康が死んでちょうど百年目に吉宗が将軍就任」とか、「19世紀に入って大御所時代(11代家斉親政)」、「1837年に大塩平八郎の乱・生田万の乱・モリソン号事件が発生」など大まかな時代区分や、盲点となる年号などを無理なく記憶させようとするのが良い。

史料の解説も、どこに気をつけて読めばいいかはっきり指摘しており、わかりやすい。

この巻の後半から近代に入りますが、近代日本史を学ぶための基礎の基礎を、「阿呆か」と思われるのを恐れずブログタイトル通りの低レベルさで挙げると、まず中学程度の以下の年号を無条件で頭に叩き込む。

1868年  明治維新

1894年  日清戦争

1904年  日露戦争

1914年  第一次世界大戦

1931年  満州事変

1937年  日中戦争

1939年  第二次世界大戦

1941年  日米戦争(太平洋戦争・大東亜戦争)

1945年  敗戦

近代史の様々な本を読む上で、この九つの年号の間の、どの地点の話をしているのかを、常に意識しながら読む。

(あと、付け加えるなら、1853年ペリー来航、1932年五・一五事件、1936年二・二六事件も。)

本書にも書いてあるが、明治時代については、まず1868年が明治元年なので、1867年を起点に、そこから何年経っているかで、西暦を元号に換算(明治は45年=1912年まで)。

明治政治史に関しては、1867年大政奉還、1868年明治維新、1873年明治六年の政変(西郷・板垣下野、大久保中心政権へ)、1877年西南戦争、1881年明治十四年の政変(大隈下野、伊藤中心政権へ)辺りを初期の最重要の区切りとして憶える。

で、1871年廃藩置県(今気付いたが、ドイツ統一と同年だ)、1873年地租改正などの諸改革がどの時期に行われたかを確認。

そして1885年に内閣制度が発足した後は、やはり内閣の成立順と在任年度を暗記するのがいいんじゃないでしょうか。

結局初心者がある国の歴史を学ぶ際、何らかの時代区分を行い、その各時代に何があったのかを理解していくのが本筋と思われるし、その基準は前近代においては君主の在位期間、近現代においては首相・大統領の在任期間が一番自然だと思う。

そして世界的相互交渉が深まり、動きの激しい近現代においては、史実の流れの正確な把握のためには年代の暗記が避けられない。

(もちろんこんな細かいことが出来るのは、少数の主要国だけでしょうが。)

そんなわけで以下、明治時代の内閣を単純に並べてみる。

1885年  伊藤博文(第1次)

1888年  黒田清隆

1889年  山県有朋(第1次)

1891年  松方正義(第1次)

1892年  伊藤博文(第2次)

1896年  松方正義(第2次)

1898年  伊藤博文(第3次)

同年   大隈重信(第1次)

同年   山県有朋(第2次)

1900年  伊藤博文(第4次)

1901年  桂太郎(第1次)

1906年  西園寺公望(第1次)

1908年  桂太郎(第2次)

1911年  西園寺公望(第2次)

このうち、日清戦争を戦った第2次伊藤内閣と、日英同盟を締結し日露戦争を戦った第1次桂内閣が最重要で、この両者は例外的な長期政権になっている。

後は、1889年(フランス革命からちょうど100年後)帝国憲法発布の時は黒田内閣で、1899~1900年義和団事件に対応したのは第2次山県内閣で、といったふうに、どの内閣で何が起こったのかを地道に把握していく。

なお、1898年の第1次大隈内閣(いわゆる隈板内閣)というのは自由党と進歩党が合併してできた憲政党という巨大政党を背景に成立した日本最初の政党内閣(だから大正時代の原敬内閣は「最初の本格的な」政党内閣と呼ばれる)。

結局すぐに崩壊し、与党は旧自由党系の憲政党と旧進歩党(元の立憲改進党)の憲政本党に分裂、1900年には憲政党が伊藤博文と共に立憲政友会結成、昭和の敗戦まで続く保守的与党となる。

この1898年は日本では以上のように政界混乱の様相が強い年だが、世界史を見ると、この年は列強の中国分割(旅順・大連・威海衛・膠州湾・九竜半島・広州湾)、米西戦争、ファショダ事件などが起こっている。

直接の関連性は無いが、単純に同時代の比較として並べてみるだけで、個人的には結構面白い。

この巻もなかなか良いです。

江戸時代はもちろん、明治に入ってからも知識の乏しい内政面について勉強させられた。

高校日本史のレベルがあやふやな私のような方にはかなりお勧めです。

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