万年初心者のための世界史ブックガイド

2009年11月4日

秋元英一 『世界大恐慌 1929年に何がおこったか』 (講談社学術文庫)

Filed under: アメリカ — 万年初心者 @ 06:00

アジア経済危機後の1999年に講談社選書メチエから出たものを、十年後、世界経済危機真っ最中の今年に文庫化したもの。

末尾の解説で、林敏彦(『大恐慌のアメリカ』(岩波新書)の著者)という人が、本書の特徴としてアメリカの大恐慌でも日本の昭和恐慌でもなく世界大恐慌を語っていることだと書いていて、確かにそう感じられるところもあるんですが、やはり叙述の中心的な視点は常にアメリカの置かれているようなので、カテゴリは近現代概説ではなくアメリカにします。

第一章がウォール街株価暴落の様相、それ以前の20年代アメリカ社会の繁栄、恐慌の原因論、フーヴァー政権の対応。

第二章で大恐慌下アメリカ社会の苦難の有様を描写。

第三章が銀行と信用システムの崩壊、経済再建策の系譜、金融システム再生のために採られた方法、金本位制からの離脱など。

第四章がニューディール政策の具体的対策・事業の記述。

第五章はケインズの大恐慌への見解、アメリカ財政政策の検討、日本の金融恐慌と高橋是清蔵相の手腕について。

それほど難解な内容ではなく、わかりやすく書かれているとは思うが、残念ながら私の能力では本書程度の叙述でも所々理解できない部分が出てくる。

文化史だけじゃなくて、経済史も本当に苦手なんですよね・・・・・。

細かなデータと因果関係の記述を読み解くのに苦労して、著者の評価や見解が明確に読み取れない。

幸い、エピローグで本書のまとめみたいな叙述がありますので、そこで復習しましょう。

ニューディール政策については、政治的にはとりあえず国民心理を安定させて左右の全体主義が台頭するのを防いだ功はあるが、純粋な経済対策としては失敗だったとの意見もあるようですが、本書では経済面でも比較的評価している方なのか?

すみません、私が理解した部分だけでは迂闊なことは言えませんので、実際にお読み下さい。

ただ、そんなに悪い本じゃないとは思います。

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