万年初心者のための世界史ブックガイド

2009年8月18日

阿部謹也 『物語ドイツの歴史 ドイツ的とは何か』 (中公新書)

Filed under: ドイツ — 万年初心者 @ 06:00

少々思うところあって、これまで何度か悪口めいたことを書いた本書を通読。

これだけ有名な碩学の著作を読むのが、『刑吏の社会史』(中公新書)に続いてやっと2冊目で、しかも次が本書というのはちょっとどうなのかと我ながら思うが、まあしょうがない。

10年余り前、本書が出た時、「これだけネームバリューのある人が一般的な通史を書いてくれたのか」と感激して立ち読みし、「うーん・・・・・」と首を傾げて、それきりでした。

今回読むに当たっては、できるだけ先入観を持たずに素直に読み進んでいこうと思ったのですが、結果は何とも感想に窮する微妙な出来。

著者の学識から滲み出す、特徴的な歴史の切り口の片鱗は感じられるものの、私程度の読者には十全に理解できない。

本文中の問題提起に対する答えがいつの間にかどこかにいってしまったというような場合が何度かあった(私がボーっと読んでるだけかもしれないが)。

事実関係の記述は断片的過ぎて、本書だけで細かな経緯を憶えるのはまず不可能。

特に現代史に入ると省略が甚だしく、適切とは到底言いがたい。

巻末で、無駄に白紙の多い年表が数十ページにわたって続くのも、有益とは思えない。

例によって偉そうな感想で恐縮ですが、これはちょっとお勧めしがたい。

阿部先生のような偉い方でも、最も初心者向けの通史という分野は苦手だったのかと思ってしまう。

どういう読者層をターゲットにした本なのか、よくわからない。

先生には他にいくらでも素晴らしい著作があるのだから、強いて本書を読む必要も無いでしょう。

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