万年初心者のための世界史ブックガイド

2009年6月17日

臼井隆一郎 『コーヒーが廻り世界史が廻る 近代市民社会の黒い血液』 (中公新書)

Filed under: 近現代概説 — 万年初心者 @ 06:00

『茶の世界史』『砂糖の世界史』と来て、今度はコーヒーです。

東アフリカ原産のコーヒーが15世紀末イエメンのモカに伝わり、そこから食欲抑制と睡眠節制の効果を見込んだスーフィー(神秘主義)教団を通じてイスラム圏に広まっていく。

17世紀半ば辺りからヨーロッパにも普及し、コーヒー・ハウスが新しい公共圏を形作り、海運・保険・証券取引などの経済活動や新聞・パンフレットを媒介にした世論形成の場を提供したことが記される。

消費国としてのイギリス・フランス・ドイツ、生産地としてのジャワ、ハイチ、マルティニク(仏領西インド)、ブラジル(サントス)、東アフリカ(キリマンジャロ)の様相が描写されている。

面白い。

コーヒーという嗜好品・商品作物から近現代の世界史を診るという大風呂敷をかなりの程度成功させている。

最初はややたるいと思っていたが、後半部は非常に興味深い。

私のような社会史嫌いでも大いに愉しめる本。

これはかなりの名著ではないでしょうか。

一度試しに借りてみることをお勧めします。

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