万年初心者のための世界史ブックガイド

2009年3月21日

D・A・シャノン 編 『大恐慌 1929年の記録』 (中公新書)

Filed under: アメリカ — 万年初心者 @ 06:00

またまた随分な骨董品を持ち出してきて恐縮です。

初版が1963年刊、中公新書の通し番号が23という若さ。

巻末の既刊案内を見ると、三田村泰助『宦官』宮崎市定『科挙』増田義郎『古代アステカ王国』など、これまで紹介してきたロングセラーが並んでいる。

最初、世界恐慌に関する標準的な概説書を読むつもりで手に取ったのだが、目次を見て全く性質の違う本だと気付いた。

全編ほとんど、当時の新聞・雑誌・書籍からの引用で構成されている本で、恐慌の嵐に巻き込まれて困窮する労働者・農民・中産階級・学生・子供の生活実態を克明に描写している。

この手の本は、とにかく細部に引っ掛からず、ざっと読み通して大体の雰囲気と概況を知ることのみに目標を絞ることが必要です。

使用目的と読解方法さえ間違わなければ、初心者でも十分有益。

アメリカ史の参考史料として本書を読んでおくのも悪くない。

なお世界恐慌の標準的テキストとしては、ジョン・K・ガルブレイス『大暴落 1929』(日経BP社)や、チャールズ・キンドルバーガー『大不況下の世界』(東京大学出版会)でも読めばいいんでしょうが、私には今のところちょっと手が出ません。

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