万年初心者のための世界史ブックガイド

2009年2月17日

A・J・P・テイラー 『ヨーロッパ 栄光と凋落』 (未来社)

Filed under: 近現代概説 — 万年初心者 @ 06:00

ナポレオン時代から1950年代までのヨーロッパ史に関するエッセイ集のような本。

短めの文章が多いので、全部で53章もある。

まあ470ページ超と結構な厚みもあるので、通読には少々手間取ります。

かなり骨のある部分もあり、ビスマルク外交やヒトラーへの宥和政策の章はかなり詳細で、十分に理解することが難しかった。

近代歴史学の父ランケに関する章は、『世界の名著』での林健太郎氏の解説と読み比べると、テイラーの評価にあまり納得できなかったりする。

第二次大戦直後に書いた文章が多いこともあって、やっぱりこの人は近代ドイツに偏見持ってるなあと感じる部分もかなりある。

あの最悪の書(あくまで私にとってですが)『近代ドイツの辿った道』のように、「読むに耐えない」というほどではありませんが。

全般的な印象を言うと、ややシニカルな筆致なので、著者が肯定的な意味を込めて書いてるのか、否定的な意味で書いているのか、さらっと読んだだけだとよくつかめない部分があった。

滅茶苦茶難解なことばかり書いていて理解できないということは全くない。

練達の歴史家らしい、平易で明解な叙述の片鱗は、私でも感じ取ることができた。

しかし、かなりの予備知識が無いと、この本の良さはわからないんじゃないですかね。

教科書レベルの次にこれを読んでも、あまり効用は期待できない気がする。

私自身、多くのものを得たという印象はありません。

5日ほどかけて読みましたが、是非お勧めしますとは言い難い本。

ひとまず図書館で借りて、どんなもんか飛ばし読みしてみて下さい。

あと、テイラーの本で読むべきなのは『イギリス現代史』(みすず書房)でしょうか。

しかし、これも分厚いですね・・・・・。

いつ読めることやらわかりません。

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