万年初心者のための世界史ブックガイド

2008年8月8日

年代暗記について

Filed under: おしらせ・雑記 — 万年初心者 @ 06:00

先日の『第一次世界大戦の起源』において列強の同盟外交を概観した文章を読んで思ったことを以下に書きます。

山村良橘『世界史年代記憶法』(代々木ライブラリー)の記事で書いたこととかなり重複しますが、要は世界史を学ぶ上でやはり年代暗記は避けられないのではないかということです。

例えば、普仏戦争から第一次大戦までのヨーロッパ外交史を概観すると以下の通りになります。

1873年 三帝同盟

1878年 ベルリン会議

1879年 独墺同盟

1882年 三国同盟

1887年 独露再保障条約

1891年 露仏同盟

1898年 ファショダ事件

1902年 日英同盟

1904年 日露戦争・英仏協商

1905年 第一次モロッコ事件

1907年 英露協商

1911年 第二次モロッコ事件・伊土戦争

1912年 第一次バルカン戦争

1913年 第二次バルカン戦争

1914年 サライェヴォ事件・第一次世界大戦

1890年に退陣するまでのビスマルクがフランス孤立策を成功させていたのに対し、それ以後は逆にドイツが孤立し三国協商による包囲網が形作られていく過程がわかりますが、以上の経緯を年代抜きで覚えることが有益とはどうしても思えない。

むしろ年代を押さえることによって史実の前後関係がはっきりし、事象の連鎖関係の正確な推移が頭に入るのではないでしょうか。

歴史の流れや因果関係を捉えることが重要だとしても、特に現代史においてそれは正確な年代把握と切り離せないものではないかと愚考する次第です。

初心者にやたら年代暗記を強要するのは歴史嫌いを増やすだけだ、という意見はわからないではないですが、しかし最も初歩的な段階を過ぎればやはり重要年代の暗記はおろそかにできないでしょう。

また初学者は「流れ」や「因果関係」を重視すべきといっても、実際は非常に通俗的で皮相な見方や観察を詰め込まれてしまう例も多い気がします。

それならまずは年代のような細かな部分を含め、事実関係において詳しい知識を得ることを一先ずの目標にすべきではないかと思います。

なお、高坂正堯氏が『大国日本の世渡り学』(PHP文庫)で述べていた歴史学習の方法に関する文章も大いに示唆的ですので、リンク先引用文も宜しければご覧下さい。

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