万年初心者のための世界史ブックガイド

2008年7月23日

林建彦 『朴正熙の時代』 (悠思社)

Filed under: 朝鮮 — 万年初心者 @ 06:00

1991年刊。副題は「韓国『上からの革命』の十八年」。

1960~70年代の韓国史。

おそらく現代史上最も成功した権威主義政権である朴政権を高く評価する視点から書かれている。

個人的にはかなり前から朴正熙という人物に敬意を抱いていたので、素直に得心がいった。

この本も実は刊行当初何度か図書館で飛ばし読みしていたのだが、通読は今回が初めて。

特に難渋なところもなく、読みやすい。

できれば朴体制の前後も充実させて、より広い範囲をカバーした韓国現代史にして欲しかったところですが、紙数の問題もありますからまあこれでいいのかもしれません。

重要事件とその年代を確認しながら読み進むのが良いでしょう。

1948年大韓民国成立、50年朝鮮戦争、60年四・一九学生革命と李承晩退陣、61年五・一六軍事革命、63年民政移管と朴大統領就任、65年日韓基本条約とヴェトナム派兵、68年青瓦台武装ゲリラ事件、71年米中接近と南北赤十字会談、72年南北共同声明と「維新」体制への移行、73年金大中事件、74年文世光事件、77年カーター政権成立と「人権外交」・在韓地上米軍撤退をめぐる摩擦、79年側近による朴暗殺。

悪い本ではないですが、やや対象範囲が狭いので、神谷不二『朝鮮半島で起きたこと起きること』(PHP研究所)などと併読して下さい。

なお朴政権下の韓国については、岡崎久彦『隣の国で考えたこと』(中公文庫)という素晴らしい本がありますので、こちらも是非どうぞ。

ついでに歴史に限らず、韓国関係で面白かった本を挙げると、鄭大均『韓国のイメージ』『日本のイメージ』(共に中公新書)は非常に良いと思いました。

そこで紹介されている任文桓『愛と民族 ある韓国人の提言』(同成社)も出色の出来。

中公文庫に収録されていた『日韓理解への道』および『日韓ソウルの友情』という司馬遼太郎らの座談会も読めば参考になるところ大。

その参加者の一人である鮮于煇氏が両書で末尾に書いた文章が本当に素晴らしい。

最後にあまり知られていない本だと思いますが、吉岡忠雄『ソウル・ラプソディ』(草風館)。

紀行文の一種ですが、この本が醸し出す品位と哀切には強く心を動かされる。

気が向いたら以上の本も一度図書館で借りてみて下さい。

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