万年初心者のための世界史ブックガイド

2008年3月26日

渡辺金一 『中世ローマ帝国』 (岩波新書)

Filed under: ビザンツ — 万年初心者 @ 06:00

先日の『コンスタンティノープル千年』と同じ著者の前著。

第一章で、民族大移動の混乱の中で西方帝国が滅亡するのを為すすべなく傍観し、ひたすら蛮族侵入の嵐が過ぎ去るのを待ってようやく生き延びた無力な存在、というイメージに反し、古代統一帝国理念を継承し蛮族に擬制的親族秩序に基く称号を授与して、中国の冊封体制のような国際秩序を築いた東ローマ帝国の一面を叙述している。

第二章では、皇帝権は無制限な独裁的権力ではなく、古代以来の法理念やキリスト教思想によって、実際には様々な制約が課されていたことが記される。

ここまでで約半分で、まあ普通に読めたのですが、以後が宜しくない。

第三章の帝国周辺に興隆した二大民族としてのゲルマン社会とアラブ社会の比較が出てくるのですが、何だか結論がどこにあるのかよくわからない文章。

最後の第四章は「ローマ領シリアにおけるオリーヴ・プランテーション村落の興廃」というタイトルで、これまでの章と毛色が変わり過ぎ。

何でこんな個別的過ぎる研究がいきなり割り込んでくるのか???

面白くもないのでこの章は読むのを止めました。

ちょっと私には良さがわからない微妙な本でした。

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