万年初心者のための世界史ブックガイド

2008年1月21日

アントニオ・ドミンゲス・オルティス 『スペイン三千年の歴史』 (昭和堂)

Filed under: スペイン — 万年初心者 @ 06:00

えー、すみません、これもです。半分も読んでません。

前書きと途中までの叙述から判断して、(1)人為的な国民統合を目的とする古色蒼然としたナショナリスティックな一国史を否定しながら逆の極端に陥るのも避け、(2)自国の現状を抽象的に理解するための前提や資料として現代史のみを重視し「何の役にも立たない」時代を無視するという「社会学偏重主義」に批判的で、(3)「他の歴史の支えとなる政治史のスケッチ」を書こうとする著者の姿勢には、大いに賛同するものであります。

しかし、当たり前ですが、スペイン人が対象読者に想定されている以上、日本人がスペイン史の入門書として読むにはちょっとチグハグな印象を受ける。

細かな史実には深入りしない大まかな概説には違いないんですが、読者が元々ある程度の事実関係を知っていることを前提にしているようで、一番基礎的な政治史としては使いにくい。

ケルト人・ローマ化・西ゴートから始まり、711年のターリク率いるウマイヤ朝軍侵入、ペラヨによるアストゥリアス王国建国とそのレオン王国への発展、以後のレコンキスタの進行と、何とか辛抱してフェルナンド5世とイサベル女王の「カトリック両王」のところまでは読みましたが、以降はギブアップ。

フェリペ2世以後の国王の系譜などを我慢して読み進めればそれなりに役立つ気がしますが、むしろ以前記事にした茨木晃『スペイン史概説』をもう一度熟読した方がいいんじゃないかと思ってやめました。

もうちょっとレベルを落として、基本的な事実関係を重点的に記述した本が欲しいですね。

あまり決め付けるべきではないんでしょうが、中公新書の『物語スペインの歴史』と『同 人物編』がもう一つの出来なのが惜しまれます。

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