万年初心者のための世界史ブックガイド

2007年12月7日

宮本正興 松田素二 編 『新書アフリカ史』 (講談社現代新書)

Filed under: アフリカ — 万年初心者 @ 06:00

出版された当時から気にはなってた本書を刊行から10年経ってようやく通読。

マイナー分野でありながら新書とは思えぬ厚さなので手に取るのを躊躇してたんですが、思い切って読み始めると驚くほど容易に読み通せた。

これは良い。非常に良い。

よく整理された叙述で、予備知識の少ない読者にもアフリカ史の全体像をわかりやすく教えてくれる。

十数人の分担執筆にも関わらず、記述の不統一や無意味な重複、説明不足などを感じさせない見事な編集。

北アフリカのナイル川、西アフリカのニジェール川、中央アフリカのザイール川、南アフリカのザンベジ川およびリンポポ川という大河流域によって地域区分をし、それぞれの史的発展を記していく。

またサハラ交易、インド洋貿易、大西洋貿易を通じた外部世界との交流とそれに応じたアフリカ内部の発展も重視し、近代以降のヨーロッパによる支配に筆を進める。

馴染みの無い地域の歴史を飽きさせず興味を持って読ませる。

初心者が読んで面白いアフリカ史なんて、以前記事にした山口昌男『黒い大陸の栄光と悲惨』ぐらいだろうと思ってたんですが、この考えは撤回します。

本書も十分取り組むに値する本です。

『黒い大陸~』は今でも特徴のある、面白い本だとは思うが、個々のテーマに深入りし過ぎて全体的な流れを簡潔に捉えにくいという印象がある。

現代史の部分は『黒い大陸~』の方が依然優れている気がするが、初心者が読むアフリカ史のテキストとしては本書を基本にするのが良いでしょう。

強く推奨させて頂きます。

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