万年初心者のための世界史ブックガイド

2007年12月5日

松谷健二 『東ゴート興亡史』 (中公文庫)

Filed under: ローマ — 万年初心者 @ 06:00

同じ著者の『ヴァンダル興亡史』の姉妹編。

オドアケルが西ローマ帝国を滅ぼして、その後東ゴート族がオドアケルを倒してイタリアに建国したんだから、これをローマ史のカテゴリに入れるのはちょっとおかしいのかもしれませんが、「ビザンツ」に入れるのも変だし「ヨーロッパ」は中世盛期以降多国間に跨る本を入れるところと考えてるし、何となく雰囲気としてこの辺りはまだローマ史に含めていいような気もしますので、このままにします。

高校世界史だと西ローマ滅亡後のイタリア支配者として、オドアケル→東ゴート→東ローマ(ユスティニアヌス帝)→ランゴバルト→カロリング朝フランク(ピピン3世・シャルルマーニュ)という順番を記憶しないといけないわけですが、本書はその前半部分の移り変わりをわかりやすく描いたもの。

フン族の支配下にあった東ゴート族がアッティラ死後独立し、東ローマに侵攻し和解・定住と離反を繰り返しつつ地歩を固める。

同族内で指導者となったテオドリック(のちの大王)が東皇帝ゼノンとの間に、オドアケル打倒を条件に東帝国の名代としてイタリアを統治するという協定を結ぶ。

テオドリックのイタリア侵攻は首尾よく成功し、オドアケルを滅ぼした後、善政を敷き安定した統治を実現する。

また自身がフランク王クローヴィスの妹を妻に迎えたほか、西ゴート・ブルグント・ヴァンダルなどその他のゲルマン国家とも縁戚関係を結び、王国の安泰を図る。

しかし男子の跡取りに恵まれなかったことから、テオドリック死後王位継承争いが生じ、それに乗じて、ユスティニアヌス帝が派遣した名将ベリサリウス率いる東ローマ軍が侵攻してくる。

直前にヴァンダル王国を滅ぼし意気上がるベリサリウスの軍勢によって王国は一旦滅亡し、その後一度は復興するものの、ユスティニアヌスが再度派遣したナルセス率いる軍によって最終的に滅ぼされる。

読みやすくて面白い。歴史小説を読んでいるようで、途中からぐんぐん引き込まれる。

昔ながらの講談風の歴史物語といった感じ(悪い意味ではない)。

機会があれば是非お読み下さい。損はしないと思います。

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