万年初心者のための世界史ブックガイド

2007年11月5日

冨山泰 『カンボジア戦記』 (中公新書)

Filed under: 東南アジア — 万年初心者 @ 06:00

カンボジアでの、自衛隊初のPKO参加で日本が大騒ぎになっていた1992年の刊。

第二次大戦後の脱植民地の動向と1954年の独立、シアヌークが国王から国家元首となった経緯、70年のクーデタとロン・ノル政権樹立、内戦と75年のポル・ポト政権成立とその史上稀に見る暴政、78年末のヴェトナム軍侵攻と79年のヘン・サムリン政権樹立、シアヌーク派、ソン・サン派、ポル・ポト派の反越三派連合政府対親越プノンペン政権の対立、91年のカンボジア和平合意までのカンボジア現代史が要領よく記されている。

米、ソ、中、仏、越、タイ、日本との関係も丁寧に書かれていてわかりやすい。

できれば、92年の国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)下での総選挙から、ヘン・サムリン政権の流れを汲むフン・セン首相と人民党の一党優位体制が固まっている現在までの歴史を書き加えた増補版を出して欲しいところではあるが、まず無理でしょうね。

通信社のバンコク特派員だった人の著作で歴史書というよりジャーナリストの時事解説書という面が強いかもしれないが、東南アジア現代史のサブテキストとして有益な本だと思います。

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