万年初心者のための世界史ブックガイド

2007年9月16日

A・ハミルトン、J・ジェイ、J・マディソン 『ザ・フェデラリスト』 (岩波文庫)

Filed under: アメリカ, 思想・哲学 — 万年初心者 @ 06:00

1787年制定されたアメリカ合衆国憲法への賛成を促すために書かれた著名な政治論文の抄訳。

いわゆる連邦派の人々の政治的主張を述べた本であり、アメリカ建国の父たちのうち、ジェファーソンに代表されるのとは違った、もう一つの流れを知ることができる。

と思って読んだのですが、どうもいまいち。

今まで読んだ乏しい本の記述から、三人の著者のうちアレグザンダー・ハミルトンに私は強い敬意を持っていたので、大いに期待していたのだが、目の醒めるような叙述はさほど多くなかった。

読み飛ばしたわけではなく、一文一文丁寧に文意を取りながらじっくり読み込んだのだが、権力の空間的分割としての連邦制と機能的分割としての三権分立制による抑制均衡原理の利点が淡々と書かれているだけ。

「民主主義の権化」アメリカの独立直後の指導者が書いたこの論説で、直接民主政への警戒がかなり垣間見られるところは少し面白かったが、それも強く印象に残るほどではない。

これだけの古典なので、9割方読み手の私の問題なのは間違いないが、エドマンド・バーク『フランス革命の省察』を読んだ時に、政治に関する叡智の泉だと思えたほどの、圧倒的な読後感は明らかに無かった。

まあ有名な本ですから、一読したのは悪くなかったとは思いますが。

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