万年初心者のための世界史ブックガイド

2007年8月3日

仲井斌 『西ドイツの社会民主主義』 (岩波新書)

Filed under: ドイツ — 万年初心者 @ 06:00

戦後を中心にした、手軽で簡便なドイツ社会民主党史。

岩波でこのタイトルだと、「ナチズムの勝利を招いた似非社会主義の裏切り者」みたいな内容かと思うかもしれないが、本書は1979年刊なので、いくらなんでもそんな立場の本ではない。

戦後の社会民主党初代党首シューマッハーは、十数年間を強制収容所の中で過ごした不屈の反ナチ闘士であると同時に、ワイマール共和国へのドイツ共産党の破壊的態度を身をもって経験したがゆえに、ソ連共産主義に対する徹底した批判者でもあった。

東ドイツ地域の社会民主党が共産党に併合され社会主義統一党の一党独裁体制が固まっていくなかで、シューマッハーは西ドイツでの党の自主性を断固として守り、共産党を強く排撃する。

彼はアデナウアー政権の西方一辺倒の外交政策にも反対したが故に、政権を奪取するには至らなかったが、その死後社会民主党は1959年有名なバート・ゴーデスベルク綱領を採択し、ドグマ的マルクス主義と絶縁し、現実主義的な国民政党の形を整える。

1966年キージンガー首相の下、キリスト教民主同盟との大連立内閣に加わり、戦後初めて政権に参加する。

1969年にはついにブラントを首班とする社会民主党・自由民主党連立政権を成立させ、74年のシュミット政権と共に東方政策、デタント外交を展開する。

本書の最後は「緑の党」成立直前の環境保護運動にも多くの紙数が割かれている。

楽に読めて結構面白いです。

戦後西ドイツ政治史の入門書として使えます。

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