万年初心者のための世界史ブックガイド

2007年7月7日

関連文献:岡崎久彦

Filed under: おしらせ・雑記, 国際関係・外交 — 万年初心者 @ 06:00

1996年高坂氏が亡くなった後、しばらくの間国際政治関連で個人的に一番その意見を参考にしていたのがこの人だった。

2000年ごろまでは雑誌等に掲載された文章にはほぼ目を通していたと思う。(その頃から「親米保守」の代表格として岡崎氏が「反米保守」から批判されるようになったが、私が岡崎氏の論説を熱心にフォローしなくなったのは、それとは直接関係無いです。)

そういう保守論壇内部の対立の話は脇に置いても、岡崎氏の文章が一番面白かったのはやはり80年代から90年代前半だったように思える。

以下手元にある本を主に挙げてみます。

『国家と情報』(文春文庫)

1984年刊。国際情勢概観とソ連・韓国・北朝鮮・中国の各国事情を述べた本。特に韓国・北朝鮮の章は希少価値があって面白い。時事的話題に耽溺することもなく、歴史的アプローチを取っているので、今読んでも参考になるところが多い。

『情報・戦略論ノート』(PHP文庫)

単行本としては1984年刊。講演やエッセイ、短文集など。特に後半収められた短文エッセイ集が面白く、意外な知識を仕入れることができて有益。飛ばし読みでもいいので一度借りてみてください。

『情報・戦略論ノート Part2』(PHP研究所)

1990年刊。直接的な歴史関係の章が多く面白い。日本近代史の読み方の他、「『ローマ帝国衰亡史』で読む中東」なんて一風変わった文章もあって興味深い。巻末の対談では、「反米保守」の代表格西部邁氏とにこやかに対談するなんていう、今では絶対考えられない章があります。また最後の著名な中国研究者中嶋嶺雄氏との対談では、中嶋氏が対ソ関係改善とアメリカからの一定の自立の可能性について示唆しているのに対し、岡崎氏がやんわりかわしているところが今読むと面白い。ただ、これもひとまず借りるだけでいいと思います。

『新しいアジアへの大戦略』(読売新聞社)

1993年刊。何と言っても冒頭の「わが外交官卒業論文」と(今は無き「This is読売」で)題された、タイに関する長大な論文がすごい。中身が非常に濃い。初心者でも読めるレベルの地域研究としてはとても良い。

『国際情勢の見方』(新潮社)

94年刊。ソ連崩壊、湾岸戦争、カンボジア和平などを題材にして雑誌「フォーサイト」に掲載された論説が中心。手堅い内容でこの辺の国際情勢をよく理解させてくれる。

『国際情勢判断』(PHP研究所)

96年刊。真ん中あたりにある章で、当時のクリントン政権の日米包括協議での対日圧力に対して珍しくアメリカ側に反論しているのが面白い。またその少し後でキッシンジャーを代表とする米外交の「中国重視・日本軽視」派への批判も興味深い。

『日本の失敗と成功』(扶桑社)

2000年刊。佐藤誠三郎氏との共著。対談形式で近代日本の歩みを振り返った本。文庫版も出ている。ごく平易な表現で明快な評価を下しているので、初心者でも面白く読める。

あと「近代日本」カテゴリに入れてます、PHP文庫の近代日本外交史シリーズはやはり読むべきだと思われます。あれは反米保守ないし左派的な考えを持つ人でも参考になるところが多いと思いますので。

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