万年初心者のための世界史ブックガイド

2007年7月5日

関連文献:高坂正堯

Filed under: おしらせ・雑記, 国際関係・外交 — 万年初心者 @ 06:00

これまでも多くの著作を紹介してますが、記事にしなかったものをここでまとめて書いてみます。

私はこの人の著作にはほぼ全て目を通しているので、「お勧めの本は何だ?」と言われれば、「全部」と答えたいところだが、それじゃしょうがないので以下特にお勧めしたいものを挙げます。

『長い始まりの時代 外交感覚3』(中央公論社)

前2巻に続く短文の外交評論集。読みやすい上に歴史的知識に裏付けられた叡智に満ちた本。ごく気楽に読めて、なおかつ密度が濃い。非常においしい本。

『平和と危機の構造』(NHKライブラリー)

1991年ごろに放送されたテレビ教養講座の書籍化。と言っても内容はかなり変更されているようである。冷戦後の世界情勢を概観するための切り口を提供してくれる良書。現代史を理解するための大きな武器となる。元の番組を録画したビデオを持っていたはずなのだが、今は手元に無い。惜しいことをしました・・・・・。

『高坂正堯外交評論集』(中央公論社)

亡くなられた直後に出た本。単行本未収録の論文もあって貴重。抽象的理論ではなく具体的な歴史を踏まえ、感情や教条に動かされることを避け、深慮と諦観を持ちながら冷静に世界を眺めた碩学の軌跡を辿ることができる。

高坂節三『昭和の宿命を見つめた眼 父・高坂正顕と兄・高坂正堯』(PHP研究所)

弟さんが2000年に書いた本。非常に興味深い。ただ亡くなる直前の話を読むと何とも言えない寂しさと悲しさを感じます。しかし「乱れた死に方だけはしたくない」と立派に病床の日々を乗り越えられたそうで、改めて感銘を受けます。

『アメリカはどこへ行く』(カセット・新潮社)

1988年の講演を収録したカセットテープ。肉声で高坂氏の講義を受けているようで、非常に贅沢な気分に浸れます。内容は当時のアメリカ衰退論を踏まえた評論。話し方は本当にうまいです。難解な表現は何一つ無いのですが、それでいて聞き終わるとずしりと心に残るものがあります。

『歴史としての二十世紀 1・2・3集』(カセット・新潮社)

これは亡くなられた直後、1996年に出た講演集。世界大戦・大恐慌・共産主義・高度経済成長・大衆民主主義と資本主義・文明の衝突などについて縦横に語る。ユーモアを交え軽妙に語りながら、深い見識を披露して、確実に重要な知識や見方は聴衆に与えてくれます。手に入りにくいとは思いますが、もし近くの図書館であれば是非借りてみてください。できれば上の『アメリカは~』とあわせてCD化して再版してもらえないでしょうか。

以上個人的に特に面白かったものを挙げてみましたが、その他にも興味深い著作がありますので、お手に取ってみては如何でしょうか。この人は歴史を学ぶことの重要性を常に説いていた方であり、その著作にも歴史的視点からの識見が多く記されているので、世界史の参考文献として大いに役立つと思われます。

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