万年初心者のための世界史ブックガイド

2006年11月30日

森本達雄 『インド独立史』 (中公新書)

Filed under: インド — 万年初心者 @ 06:25

やっとインド史の本が2冊目か。手薄すぎるな。

この貧弱な読書リストでカテゴリ別にかなり数の偏りがありますね。

「史論・評論」や「近代日本」カテゴリは自分でも半ば「確信犯」的にやってるのでひとまず置くとしても、全体数の割りにロシア史の本が不自然に多かったりするのにひきかえ、イスラム通史は1冊、オリエントは実質ゼロ、ラテン・アメリカに至ってはカテゴリすら立てられない始末。

何とかしなきゃと思いつつ、簡単で面白そうな本が無いんだから仕様が無いと開き直る気持ちも無いではない。

話を戻して。

本書は内容については可も無く不可も無くといったところか。

特に面白いというわけでもないが、まあ基礎知識を得るには便利。

あんまり贅沢言ってたら、マイナーな分野で読む本が無くなるので黙々と取り組みましょう。

2006年11月29日

塩野七生 『神の代理人』 (中公文庫)

Filed under: イタリア — 万年初心者 @ 06:22

ルネサンス期のローマ教皇4人の評伝。

特にレオ10世の章は面白かった記憶がある。

『ルネサンスの女たち』『チェーザレ・ボルジア』に比べれば、より取っ付きやすいテーマか。

機会があれば、私も再読したいです。

2006年11月28日

ジョージ・オーウェル 『動物農場』 (角川文庫)

Filed under: 思想・哲学, 文学 — 万年初心者 @ 06:44

人間たちの虐待に耐えかねた、とある農場の動物たちが団結して反乱を起こすという寓話の形式を借りた、ソヴィエト全体主義批判の小説。

これは非常に面白い。

虐げられたものたちの反乱の成功が、そのまま新たな抑圧の原因になるメカニズムを明快に記している。

比喩のレベルが高く、ソ連が辿った道への痛烈な皮肉と批判となっている。

まだ読んでいない方は是非一読をお勧めします。

ただ本作の後に附せられているエッセイ数本はやや退屈。

薄くなり過ぎるかもしれないが、『動物農場』だけを収録した文庫本を出してくれないだろうか。

2006年11月27日

大島直政 『ケマル・パシャ伝』 (新潮社)

Filed under: イスラム・中東 — 万年初心者 @ 06:36

第一次大戦敗北後の祖国を再建し、政教分離と近代化を推進して、トルコをイスラム圏での顕著な例外国家とすることに成功したムスタファ・ケマルの伝記。

ケマルを極めて高く評価しながら、現代トルコでの聖人礼讃風態度からは距離を置いた非常にバランスの取れた本。

やや古いが、文章は読みやすく、わかりやすい。

手軽に読めるトルコ現代史の良書。

2006年11月26日

高坂正堯 『宰相吉田茂』 (中央公論社)

Filed under: 近代日本 — 万年初心者 @ 06:30

本書は確か大学入ってすぐくらいに読んだのだろうか。

戦後日本史としては少々読みにくかった記憶がある。

だが「ワンマン」「逆コース」という吉田のイメージを逆転させた力を持つ著作であり、重要性は高い。

本書の吉田への高い評価が現在と未来においても適当かは意見が分かれるだろうが、とりあえず一読はしておきましょう。

2006年11月25日

班固 『漢書列伝選』 (筑摩書房)

Filed under: 中国 — 万年初心者 @ 06:23

すみません、買っただけです。

中国正史において、隔絶した傑作である『史記』に次いで重要と思われる『漢書』ではあるが、とてもじゃないがちくま学芸文庫の全訳は読み切れない。

本書は『漢書』のうち、『史記』と重複する部分を除いて、主要な十数人の人物の伝を集めたものなので、これならと思い買ってみた。

しかしほんの数ページ読んだだけで挫折。

時間を置いて、もう一度挑戦してみたが同じ。

ろくに読んでないので何とも言えない。

存在だけは紹介しておきます。

2006年11月24日

ドミニク・リーベン 『ニコライ2世』 (日本経済新聞社)

Filed under: ロシア — 万年初心者 @ 06:23

帝政ロシア最後の皇帝で、革命後家族と共にボリシェヴィキに銃殺された悲劇の君主の伝記。

「暗愚の皇帝」というイメージを安易に受け入れてはいないが、ニコライが意志の弱さから多くの政治的失策を犯したことも認めている。バランスの取れた再評価の書というべきか。

時代背景にも多くのページが割かれ、19世紀末から20世紀にかけてのロシア政治史としても役立つ。

またツァーリズムを日本はじめ各国の君主制と比較した文が各所に出てくるが、それも興味深い。

総合的に見てかなりの良書。私は何で手放したんだろ。いつか買い直して再読するか。

2006年11月23日

村上陽一郎 『ペスト大流行』 (岩波新書)

Filed under: ヨーロッパ — 万年初心者 @ 06:16

これは何のきっかけで読んだのかな。

たぶん栗本慎一郎『パンツを棄てるサル』(光文社)に引用されてるのを見たからだと思う。

ただ内容はあまり印象に残っていない。中世末期の黒死病の流行がメインテーマのはずだが・・・・・忘れた。

著者のネームバリューからして良書のはずであるから、機会があれば再読したい。

2006年11月22日

斉藤孝 『スペイン戦争』 (中公文庫)

Filed under: スペイン — 万年初心者 @ 06:07

スペイン内戦に関する啓蒙書としては一般的で手軽に読める本ではある。

だが肝心の内戦観、フランコ観は凡庸というか平板というか退屈である。

以前記事にした『フランコ スペイン現代史の迷路』が出た以上、本書の意義が相当薄れたことは否めない。

スペイン内戦の基礎知識は欲しいが、『フランコ~』は著者の歴史観が気になってどうしても読み通せないという人だけどうぞ。

2006年11月21日

タキトゥス 『同時代史』 (筑摩書房)

Filed under: ローマ — 万年初心者 @ 05:55

主著『年代記』に続くネロ死後の内乱時代を叙述したタキトゥスの史書。

出たときに買いました。即読み始めました。最後まで読み通しました。しかし苦しかった・・・・。

通読は『年代記』より相当難しい。まず『ローマ人の物語』の『危機と克服』の巻をしっかり読んで大体のことを頭に入れてから読み出したほうがいいでしょう。

そもそも欠損部分が多く、現存するのははじめの数章のみ。

内乱を収拾してローマ帝国の再建者となるヴェスパシアヌス帝の肖像など興味深い記述はあるが、あくまで余裕があれば読むというスタンスで宜しいんじゃないでしょうか。

2006年11月20日

シュテファン・ツヴァイク 『権力とたたかう良心 (ツヴァイク全集15)』 (みすず書房)

Filed under: フランス — 万年初心者 @ 06:45

何やら俗っぽいタイトルだが、ジュネーヴで神政政治を敷いていたころのカルヴァンの異端思想家への迫害をテーマにした著作で、『エラスムスと勝利と悲劇』の続編といった感じの本である。

『エラスムス~』でのルターと同じく、カルヴァンの偏狭さと過激さを強く批判する本だが、読んでも前作で感じたほどの不快感は無かった。

自分の中ではルターよりカルヴァンは人間味に乏しい魅力の無い人物だと思っているようだ。

興味深い本だとは思うので、機会があればどうぞ。

2006年11月19日

曽先之 『十八史略 上・下』 (近藤出版社)

Filed under: 中国 — 万年初心者 @ 06:26

『十八史略』とは太古から南宋の滅亡までの中国史を、正史を中心にしたさまざまな史書から抜き出した記述で構成した本。

ごく簡略な史書で俗書と貶められてきたが、日本では初学者向けの入門書として江戸時代から重宝されてきたそうである。

だが現在、陳舜臣の『小説十八史略』はじめ、原作にさまざまな記述を水増しして書かれた本はあるものの、原作本文だけを忠実に訳した本というのがなかなか無い。

本書はその稀な例外である。

漢楚の争いや三国などよく知ってる時代はやはり退屈だが、後漢の建国や南朝の興亡などはこの程度の簡略な記述がわかりやすく面白い。

ただやたら版形がでかいのがかなわない。こういう本は文庫でいつでも手に入るようにしてもらいたいもんです。

2006年11月18日

プーシキン 『大尉の娘』 (岩波文庫)

Filed under: ロシア, 文学 — 万年初心者 @ 06:01

受験時代に「プガチョフの乱に題材を採った歴史小説は?」という一問一答式問題としてタイトルを覚えた作品だが、今の受験生も憶えさせられているのだろうか。

高3から大学2年にかけては人生で唯一文学らしきものを読んだ時期である。

やはり「古典」を読まねばと思っても哲学書などは読んでもわからず、じゃあとりあえず文学でもとできるだけ手にとってみた。といっても代表作を大体読んだと言えるのはチェーホフとドストエフスキーだけ。

この辺のロシア文学で世界史に関係する小説といえば何といってもトルストイ『戦争と平和』だが、読んだことはないし、これからも一生読めないままだろう。

なにしろ大学半ばから小説というものを全く読まない人間になってしまった。偏った読書生活を反省。

閑話休題。本書もその時期に読んだものの一つ。

ロシア文学でもかなり初期の作品だが、これはかなり面白い。

プガチョフの乱について細かな具体的知識が得られるわけではないが、当時のロシア社会の様相や雰囲気が非常に良くわかる。

世界史関係歴史小説では押さえておきたい作品である。

2006年11月17日

河合秀和 『チャーチル』 (中公新書)

Filed under: イギリス — 万年初心者 @ 06:55

この大政治家の著作として『第二次大戦回顧録』があるが、河出文庫の全4巻の縮刷版ですら挫折した身としては、こういう手軽な伝記一つ読んで済ませたいものである。

内容は標準的で悪くない。特に面白いということもないが。

現在手に入るのは終章に「チャーチルと日本」という文章を入れた増補版だが、さほど感心する出来ではなかったので、旧版を買ってもいいかもしれない。

2006年11月16日

渡辺啓貴 『フランス現代史』 (中公新書)

Filed under: フランス — 万年初心者 @ 06:47

第二次大戦後の第四共和政・第五共和政フランス史。

新書版にしては史実が詳しく記され、基本的に大統領の任期ごとの章立てでわかりやすい。

できればミッテラン時代とシラク時代を少し削って、その分ド・ゴール時代に充てて欲しかった気がするがまあいいでしょう。

しかしどうも文章が面白みに欠け、データの羅列といった感がある部分が少なくなかった。

そのためか、先日再読しようと思って手に取ったが、四分の一くらいのところで耐え切れず、放り出してしまった。

まあ基礎知識を得るには良い本だとは思います。

2006年11月15日

シュテファン・ツヴァイク 『エラスムスの勝利と悲劇』 (みすず書房)

Filed under: オランダ — 万年初心者 @ 06:35

宗教改革の激動の中で、狂信を排し寛容を主張した「最大の人文主義者」エラスムスを讃えた本。

それは結構なのだが、訳者解説で述べられているように、本書でエラスムスの敵役となるルターへの非難は、執筆当時のツヴァイクの反ファシズムの主張を込めて描くという意図がストレートに出すぎて、かなり一方的で歴史の実像を正確には反映していないように思える。

面白くないことはなかったのだが、以上のことが気になって気になって仕様が無かった。

まあ良質な歴史読み物ではあると思う。

2006年11月14日

ナイジェル・ニコルソン 『ナポレオン1812年』 (中公文庫)

Filed under: フランス, ロシア — 万年初心者 @ 06:34

ナポレオンのロシア遠征を扱った戦史。

これは標準的叙述でよかった。

クトゥーゾフ将軍の戦略と戦争の過程がわかりやすく記されている。

大して長いものでもないし、いつか再読しようかなと思っている。

2006年11月13日

高坂正堯 『一億の日本人 (大世界史26)』 (文芸春秋)

Filed under: 近代日本 — 万年初心者 @ 06:47

この文芸春秋の「大世界史」シリーズはなぜか日本史の巻がいくつかあるのだが、これは最終配本された戦後日本史。

これだけバランスが取れて豊かな内容を持った戦後史も珍しいのではないか。

敗戦から1960年代末までの歴史が実にわかりやすく叙述されている。

高坂氏の戦後史的書物としては『宰相吉田茂』(中央公論社)が有名だが、初心者はこちらを先に読んだ方がいいと思う。

2006年11月12日

宮崎市定 『中国に学ぶ』 (中公文庫)

Filed under: 中国 — 万年初心者 @ 06:38

歴史・思想・時事・学界など多分野にわたるエッセイ集であるが、他の学者ならつまらない雑文集に堕すところ、御大の手に成るものだけに珠玉の一品となっている。

中国史学の発展や太平天国への評価、内藤湖南など先達への敬意に満ちた紹介など、実に面白くて役に立つ文章が満載。

一時品切れだったのが復刊になったのはいいが、値が張るようになったねえ。

もうちょっと勉強してもらえませんか、中央公論様。

2006年11月11日

羅貫中 『完訳 三国志 全8巻』 (岩波文庫)

Filed under: 文学, 中国 — 万年初心者 @ 06:29

こちらは正史ではなく、小説の三国志演義の完訳である。

吉川三国志を読破したあと、元ネタの小説も読んでおこうかと買い求めた。

すらすら読めて通読は比較的楽にできたのだが、正直あえて読破する価値があったのかは微妙。

大抵の三国志本でごく簡略に触れられるだけの、孔明死後晋による三国統一までの物語が他の期間と同じ密度で記されていることが取り得か。

三国志マニア以外は特に読む必要は無いかも。

Older Posts »

WordPress.com で無料サイトやブログを作成.

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。