万年初心者のための世界史ブックガイド

2006年7月31日

高島俊男 『三国志 きらめく群像』 (ちくま文庫)

Filed under: 中国 — 万年初心者 @ 19:05

三国志の主要人物列伝。この辺は漫画や小説ですでに詳しい知識を持ってる人が多いだろうが、これは小説である「三国志演義」はもちろん、正史としての陳寿著「三国志」の叙述も疑って史実に迫り、一種の「偶像破壊」を試みた本。

後漢末・三国時代の中心があくまで曹操と魏王朝であり、呉・蜀とは圧倒的な力の差があったことを繰り返し述べている。

著者の高島氏は一般読者向けの読ませ方を心得てる。文章も面白く、読みやすい。

どこから読んでもいい体裁になっているので、暇なときパラパラ眺めるだけでも良い。

2006年7月30日

ホセ・オルテガ 『大衆の反逆』 (白水社)

Filed under: 思想・哲学 — 万年初心者 @ 07:42

読んでもわからないので、普段は哲学のての字も読まない。

よってこのブログでも古典的思想書などは紹介しない(できない)のだが、これは別。

一読してものすごい衝撃を受ける。

難解な用語、概念などほとんど使わず、日常言語だけで20世紀の壮大な悲劇を招いた原因を余すところ無く指し示している。

われわれが疑いもない理想と信じている民主主義というものが、どれほど脆い基盤の上に立った危険なものであるか深刻に思い知らされる。

著者の圧倒的な言語表現に感服する他ない。

さほど長大なものではなく、文章も明快で、素人でも読める。

ちくま学芸文庫版、中公バックス版もあるが、できれば「フランス人のための序文」(これがまた含蓄がある)が載せられている白水社版を買ってください。

とにかく一度読んでみてくださいとしか言えないすごい書物。

「選ばれた少数者」について語られる場合、よくある悪意のために、普通この言葉の意味が歪曲されている。つまり選ばれた人間とは、他人よりも自分が優れていると考える厚顔な人間ではなく、自分では達成できなくとも、他人よりも多くの、しかも高度の要求を自分に課す人間であるということを、知っていながら知らないふりをしているのである。

というのは、人間を最も根本的に分類すると、次の二種類に分けられることが明らかだからである。すなわち一方は、自分に多くのことを課して困難や義務を負う人々であり、他方は、自分には何ら特別なことを課すことなく、生きるということがすでにある自己を絶えず保持することで、自己完成の努力をせず風のままに浮かぶブイのように暮らす人々である。

したがって社会を大衆と優れた少数者に分けることは、人々を社会的な階級に分けることではなく、人間的な階級に分けることであり、上層階級、下層階級といった階層分けとは一致しない。たしかに上層階級には、それが上層となり、真にそうである間は、その階級の中に「大乗の車」を選んだ人を見いだす可能性はより多く、それに対して下層階級は、資質に欠ける個人によって構成されているのが普通である。しかし厳密に言えば、各社会階級のなかに真の大衆と真の少数者がいるのだ。

私は近年の政治的変革は、大衆による政治の支配以外のなにものでもないと信じている。かつてデモクラシーは、自由主義と法に対する情熱という効き目のある薬のお陰で穏やかに生き続けてきた。これらの原則を遵奉するに当たって、個人は自己の上に厳格な規律を保持するように義務付けられていたのだ。少数者は自由主義の原則と法の規範の庇護の下に活動し、生活を営むことができた。デモクラシーと法は合法的共存と同義語であった。ところが今日、われわれは超デモクラシーの勝利に際会しているが、そこでは大衆が法を無視して直接的に行動し、物質的な圧力によって自分たちの希望や好みを社会に強制しているのである。この新しい事態を、あたかも大衆が政治に飽き、その仕事を専門家に任せているかのように解釈するのは間違いである。事実はその反対である。政治を専門家に任せていたのは以前のことであり、それは、自由主義デモクラシーのことである。当時の大衆は、政治家という少数者にはいろいろな欠点や欠陥があっても、こと政治問題に関しては、結局のところ彼らの方が自分たちよりは少しばかり良くわかるのだと考えていた。しかし現在の大衆はその反対に、自分たちには喫茶店の話から得た結論を社会に強制し、それに法的な効力を与える権利があると思っている。私は、われわれの時代におけるほど群集が直接的に支配権を振るうようになった時代は、歴史上かつてなかったのではないかと思う。それだからこそ、私は超デモクラシーについて語るのである。

われわれは大衆人の心理図表にまず二本の線を引くことができる。すなわちその生の欲望を示す線、つまり大衆人自身の際限の無い膨張の線と、安楽な生存を可能にしてくれた一切のものに対する徹底した忘恩の線を。この二つの傾向は、例の甘やかされた子供の心理を作り上げているものである。

私は本書を読まれる方の多くが、私と同じようにはお考えにならないのを十分承知している。それもまた極めて当然なことであり、私の主張を裏付けてくれるのである。というのは、たとえ私の意見が決定的に間違っているという結果になっても、私と意見を異にする読者の多くが、このように錯綜した問題について、ものの五分間も熟考したことがないのだ、という事実は常に残るからである。そのような人たちが、どうして私と同じように考えるだろうか?前もって意見を作り上げる努力をしないで、その問題について意見を持つ権利があると信じていることからして、私が「反逆的大衆」と呼んだところの、人間としての馬鹿げたあり方に属していることを典型的に表明しているのだ。それこそまさしく閉鎖的、密室的な魂を持つということである。この場合は、知的閉鎖性と言えるだろう。こうした人間は、まず自分のうちに思想の貯えを見いだす。そしてそこにある思想だけで満足し、自分は知的に完全だと考えることに決めてしまう。彼は自分の外にあるものを何ひとつ欲しいとは思わないから、その貯えのうちに決定的に安住してしまうのだ。これが知的閉鎖性のメカニズムである。

したがってわれわれは、ここで、愚者と賢者の間に永遠に存在している相違そのものに突き当たる。賢者は、自分がもう少しで愚者になり下がろうとしている危険をたえず感じている。そのため彼は、身近に迫っている愚劣さから逃れようと努力するのであり、その努力のうちにこそ英知があるのだ。ところが愚者は自分を疑うことをしない。彼は自分が極めて分別に富む人間だと考えている。愚鈍な人間が自分自身の愚かさのなかに腰をおろして安住するときの、あのうらやむべき平静さはそこから生まれている。われわれがどうやっても、住みついている穴から外へ出すことのできない昆虫のように、愚者にその愚かさの殻を脱がせ、しばしの間、その盲目の世界の外を散歩させ、力づくで日ごろの愚鈍な物の見方をより鋭敏な物の見方と比較するように強制する方法はないのだ。馬鹿は死なねば直らないのであり、救いの道は無いのである。だからこそアナトール・フランスは、愚かな者は邪悪な者よりも忌まわしいと言ったのだ。なぜなら邪悪な者は休むときがあるが、愚かな者は決して休まないからである。

2006年7月29日

岡崎久彦 『陸奥宗光とその時代』 (PHP文庫)

Filed under: 近代日本 — 万年初心者 @ 07:28

この著者はとにかく毀誉褒貶が激しい。「親米保守」の代表格として左右両派から目の敵にされている。

しかしこの近代日本外交史シリーズではそれほどひどい「親米的偏向」は見られないと思う。

現在の政策について「対米追従」と言えばそうかもしれないが、著作を読むと決して「戦勝国の正義」に屈しているわけでもない。

というわけで、非常にまとまった入門書として当シリーズを勧めることにする。

第一巻のこれだが、前半は陸奥の生い立ちと維新前の社会状況、明治国家の内政の話が延々と続き、仕方が無いとは思うが、個人的には少々参った。

後半日清戦争の記述に入ると、俄然面白くなる。

史実がよく整理された叙述と著者の歴史的評価が絶妙によく合わさっている。

中学生でも読める入門書を目指しただけあって、表現は平易で難解な文章も無い。

良質の啓蒙書として通読しておく価値大。

2006年7月28日

司馬遼太郎 『坂の上の雲 全8巻』 (文春文庫)

Filed under: 近代日本 — 万年初心者 @ 18:40

司馬遼太郎の著作で世界史関連はもう無いかなと思って探したら、日露戦争を描いたこれがあった。

世界史でも近代日本外交史は必要と思うので入れる。

財界人への愛読書アンケートなんかでよく挙げられる書物だが、確かに物語としての完成度、成熟度は非常に高い。

全8巻でも通読は全く困難ではない。

乃木大将の扱いは福田恒存などに批判されたようだが、それを差し引いても傑作の名に値すると思う。

文章の読みやすさと、ストーリーの合間に挿まれる余話の巧みさはこの著者にしか出せないものがある。

2006年7月27日

シュテファン・ツヴァイク 『マゼラン (附アメリゴ)』 (みすず書房)

Filed under: スペイン — 万年初心者 @ 19:10

ツヴァイクの伝記作品としては、『マリー・アントワネット』『ジョゼフ・フーシェ』『メリー・スチュアート』『エラスムスの勝利と悲劇』などがあるが、それらを一読した上で、一番面白いと思ったのがこれ。

マゼランの壮大で悲惨極まりない航海はただ事実を追っていくだけで強い感情をかき立てられる。

また時に詐欺師扱いすらされる「アメリカ命名者」アメリゴ・ヴェスプッチの生涯に迫った附属作も非常に興味深い。著者の解釈が今の学問水準でどう評価されるのかはわからないが、本作の謎解きは生半可な推理小説よりはるかに面白い。

両者とも再読に耐える名作と思う。

2006年7月26日

小谷野敦 『バカのための読書術』 (ちくま新書)

Filed under: 読書論 — 万年初心者 @ 19:10

今日はちょっと変則。

タイトルの「バカ」とは「哲学とか数学とか、抽象的なことが苦手」な人を指す。

そういう「いちおう学校を終えてしまって、しかしただのベストセラー小説を読んで生きるような人生に不満で、けれど難解な哲学書を読んでもわからない、というような人たち」に、歴史を中心とした読書を勧めている。

これまで読んだ10冊ほどの読書論の中で、一番しっくりくる本だった。

その後、小谷野氏の本はあまり買わなくなったのだが、本書は今も座右に置いて、よくパラパラ眺めている。

本書の歴史の学び方を扱った章の末尾に、歴史小説を中心に30冊ほどの本を掲げた、「難解でない日本史入門ブックガイド」が載っているのだが、世界史のそれは無い。

それなら僭越ながら自分で作ってみよう、というのが当ブログを始めた動機の一つ。

面白く読める、高校レベルからの啓蒙書を集めた世界史ブックガイドを目指しておりますので、宜しければ今後もご覧下さい。

2006年7月25日

塩野七生 『レパントの海戦』 (新潮文庫)

Filed under: イタリア, スペイン — 万年初心者 @ 19:10

塩野氏の戦記三部作の最後。

教科書ではフェリペ2世治下のスペイン最盛期の事例として出てくる海戦だが、本書を読むと西欧側の戦いの主力はむしろヴェネツィア艦隊だったようだ。

これだけメジャーな事件を抜群に面白く再構成してくれているのだから、やはりこれは外せないでしょう。

2006年7月24日

塩野七生 『ロードス島攻防記』 (新潮文庫)

Filed under: イタリア — 万年初心者 @ 18:19

十字軍で生まれた宗教騎士団のうち、ロードス島に移動したヨハネ騎士団に対する、オスマン・トルコのスレイマン大帝の攻撃を描いた戦記。

あまり有名な史実でもないが、塩野氏の手にかかると、極めて華麗で面白い歴史絵巻に仕上がる。

マイナー史実だからといって本書をスルーするのはもったいないので、とりあえず買っときましょう。

2006年7月23日

スエトニウス 『ローマ皇帝伝 上・下』 (岩波文庫)

Filed under: ローマ — 万年初心者 @ 07:04

五賢帝時代に書かれた、帝政前期の皇帝たちの伝記。

タキトゥス『年代記』に比べれば、初心者にとってまだしもハードルが低い。

通常の伝記的史実と「ホントかよ」と思うスキャンダル話が同時に載せられている。

古典にしては、比較的読みやすく、面白いので、読破しておきましょう。

2006年7月22日

シェンキェヴィチ 『クォ ヴァディス 上・中・下』 (岩波文庫)

Filed under: ローマ, 文学 — 万年初心者 @ 07:47

ネロ帝のキリスト教徒迫害を背景にした歴史小説。

私が所持しているのは河野与一訳の旧版である。今は『クォ・ワディス』というタイトルの新訳が同じ岩波文庫に入っている。

ネロ、セネカ、ペテロ、パウロ、若きネルヴァなど御馴染みの超有名人も出てくるが、歴史小説といっても、基本的に史実に密着して順に描いていくという作品でなく、フィクションの度合いが強いので、読後の効用は、あくまで古代ローマの雰囲気を知ることができるということに止まる。

しかしストーリー展開があまりに面白すぎる。歴史小説の傑作と言われるのもわかる。

とりあえず読書リストの中に押さえておきたいもの。

2006年7月21日

ヘンリー・キッシンジャー 『外交 上・下』 (日本経済新聞社)

Filed under: 国際関係・外交 — 万年初心者 @ 19:10

17世紀三十年戦争でのリシュリューが行った勢力均衡政策から米ソ冷戦後までを扱った外交史。

著者はニクソン政権の補佐官として米中接近・ヴェトナム撤兵を成し遂げた国際政治学者。

約半分が米ソ冷戦の記述で占められているが、できれば16世紀から第一次世界大戦までの過程にもっと紙数を割いて欲しかった。

とはいえ、力の均衡と自制を尊ぶリアリズムの立場からの外交史によって、近現代史を俯瞰することができて便利。

2006年7月20日

宮崎市定 『中国のめざめ (中国文明の歴史11)』 (中公文庫)

Filed under: 中国 — 万年初心者 @ 19:05

宮崎氏には珍しい近代史の著作。辛亥革命から国民党の北伐完成まで。

ご本人の全集の後書きで「自分は中国史の独自性に興味があるのであって、それが失われていく近代史は一番不得手である」と述べられていたが、これはよくまとまった概説になっている。

この時代の辺りから「史観」が政治的に喧しく議論されることになるが、戦前文部省から日本至上主義のアジア史を書くように依頼されたのを断り(それで出来たのが『アジア史概説』の元)、戦後はマルクス主義的唯物史観全盛の風潮に組せず、その後岩波書店から出てる全集の後書きで堂々と大東亜戦争(半)肯定論書いちゃう御大のことだから、時流に迎合していい加減なことを書くはずも無く、安心して読める。

この本で宮崎氏の一般向け概説はほぼ打ち止め(他にいくつかテーマ史的著作はあるが)。残念至極である。

現在中公文庫で旧版『日本の歴史』の再刊行をしているが、そのあと旧版『世界の歴史』を続けて出すのだろうか。

宮崎氏編の第6巻『宋と元』を再度手に入れたいので、是非復刊お願いします。

2006年7月19日

タキトゥス 『年代記 上・下』 (岩波文庫)

Filed under: ローマ — 万年初心者 @ 19:10

これは初学者にとってはかなりハードルが高い。例によって塩野ローマ史の『悪名高き皇帝たち』の巻か、秀村欣二『ネロ』で「予習」する必要があるかもしれない。

アウグストゥスの死からネロの破滅までの帝政初期を叙述対象にした歴史書。

とりあえず、巻末のカエサル家系図をしっかりと何度も見ながら、皇帝家の人物関係だけは見逃さないように、一歩一歩読み進む必要がある。

それ以外の主要人物も視野に入れ、把握しようとすると、系図を見ても時々辻褄の合わない部分が出てきて首をかしげる。

そのためダイアナ・バウダー編『古代ローマ人名事典』(原書房 定価12,600円!!)なんてものまで持ち出し、系図を補強してやっと得心が行くといったこともあった。

「そんな厄介なもの勧めるなよ」と言われそうだが、それでも機会があれば是非読んで頂きたいと思う。

初期帝政の「暴君」と元老院議員たちが繰り広げる壮大な悲劇の様相をこれ以上無いほどの迫真の叙述で描いている。

古代ローマ最高の歴史家と言われるタキトゥスの怜悧で端正な文体に、翻訳を通じてでも触れる価値は十分にある。

2006年7月18日

高坂正堯 『古典外交の成熟と崩壊』 (中央公論社)

Filed under: 国際関係・外交 — 万年初心者 @ 19:12

ウィーン会議から第一次世界大戦勃発に至るヨーロッパ外交史。

かなり本格的な論文集だが、それでも一般向けの良質な読み物になってるのはさすがである。

自制と均衡を旨とする貴族的文化によって戦争が制限され、外交交渉の余地が大きかった18世紀が、フランス革命が解き放ったナショナリズムとジャコバニズムによって終わりを告げた後、メッテルニヒら「反動家」たちが、ウィーン会議においてかつての抑制と均衡による平和を復興させようと奮闘した様を詳しく描いている。

外交という分野において、人間の「進歩」への懐疑を示している。

ウィーン会議の叙述は、初心者にはやや細かすぎるかもしれないが、参考になる。

終わりの方、ドイツの孤立化と対独包囲網形成の過程を描写した章は、逆にコンパクトでわかりやすく、有益である。

2006年7月17日

村松剛 『血と砂と祈り 中東の現代史』 (中公文庫)

Filed under: イスラム・中東 — 万年初心者 @ 07:45

20世紀初めから1980年代初頭までの中東現代史。

文庫本にしてはかなり分厚く、情報量は豊富。

アラブ・イスラエル間の紛争だけでなく、中東各国の内政・宗派対立・政治路線の違いなども初心者にとっては相当詳しく叙述されており、しっかり読み込めば非常に有益。

ただ、口述筆記のため、文体にややくせがある。

平均的な日本の中東研究者が書いた史書は大抵パレスチナ・アラブ側にシンパシーを持って書かれたものが多いが、保守派の文芸評論家として知られた著者の書いた本書ははっきりとイスラエル・西側よりの記述が貫かれている。

その辺、気になる人がいるかもしれないが、個人的にはむしろ特徴があっていいんじゃないかと思ってしまう。

2006年7月16日

塩野七生 『コンスタンティノープルの陥落』 (新潮文庫)

Filed under: ビザンツ — 万年初心者 @ 08:43

1453年のオスマン朝の攻撃による東ローマ帝国滅亡を描いた作品。

同時代人の証言資料を基に、実に面白く、迫真のドキュメントに仕上げているのはさすが。

短くて読みやすいのも良い。同じ題材を扱ったものに、ランシマン『コンスタンティノープル陥落す』(みすず書房)なんてのもあるが、素人はこちらを読んでればそれでいいんじゃないでしょうか。

2006年7月15日

宮崎市定 『清帝国の繁栄 (中国文明の歴史9)』 (中公文庫)

Filed under: 中国 — 万年初心者 @ 08:10

明の滅亡から乾隆帝の晩年までの概説。

宮崎氏の他の概説に比べてやや異色で、文化史の比重が大きい。

そういうのは個人的には好きではないのだが、御大の一般向け概説書は珠玉の存在だから、贅沢は言っていられない。

2、3回は読んで、内容をしゃぶり尽くしたいものである。

2006年7月14日

高島俊男 『中国の大盗賊・完全版』 (講談社現代新書)

Filed under: 中国 — 万年初心者 @ 19:10

泥棒から見た中国社会史、では全く無く、王朝末期の反乱の首魁たちに関する歴史エッセイ。

凡庸な農民反乱史観ではなく、毛沢東も盗賊皇帝だなんて見方で、滅法面白い。

くだけた平易な表現で読みやすいし、それでいて結構多くの知識も得られるのでお勧め。

2006年7月13日

ロバート・コンクエスト 『スターリン ユーラシアの亡霊』 (時事通信社)

Filed under: ロシア — 万年初心者 @ 19:10

大粛清に関する著名な研究者の書いたスターリン伝。

伝記的記述と背景のソヴィエト史が絶妙に組み合わされていて、非常に面白い読み物に仕上がっている。

詳細過ぎず、簡略過ぎず、ちょうどいいくらいの叙述。

エピソードも豊富で、かなりの厚さにも関わらず一気に読める。

2006年7月12日

林健太郎 『ドイツ革命史』 (山川出版社)

Filed under: ドイツ — 万年初心者 @ 19:16

対象は1918年のドイツ革命ではなく、1848年の三月革命である。

大学での講義録を元にした著作らしいが、それにも関わらず一般読者向けのきちんとした読み物になってるのは、さすが。

東洋史の宮崎市定氏と並んで、西洋史の林健太郎氏は、初心者でも読める啓蒙書の著者としては最高レベルの存在に思える。

叙述は割りと詳細でまとまった知識が得られる。歴史解釈については当たり前だが、「プロイセン悪玉説」や「革命万能幻想」のような安易な説には組していない。

しっかりとした内容を持つ良書。

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