万年初心者のための世界史ブックガイド

2006年5月30日

村川堅太郎編 『世界の名著 ヘロドトス・トゥキュディデス』 (中央公論社)

Filed under: ギリシア — 万年初心者 @ 22:01

教科書にゴチック体で載ってる古典中の古典的歴史書だが、岩波文庫の全訳を読もうとすると初心者は挫折しやすい。

とりあえず抄訳のこれを通読してみて、余裕があれば全訳に挑戦すればいい。

教科書で名称として知ってるだけのペルシア戦争、アテネ・スパルタ間の悲惨な争いの、同時代人による描写の雰囲気を知ればいいくらいの気持ちで、最初はあまり内容を憶えようとせず、どんどん読み進めばいいと思う。

2006年5月29日

アンドレ・モロワ 『フランス史 上・下』 (新潮文庫)

Filed under: フランス — 万年初心者 @ 21:46

著者にとって自国の歴史のせいか、『英国史』『アメリカ史』と違って、特に上巻にやや記述の省略を感じる。

メロヴィング朝、シャルルマーニュ以外のカロリング朝の国王についてはさらっと触れるだけ。まあいちいち書いてたら数倍のページ数が必要だろうけど。

とは言え基本に忠実なのは前作2つと同じ。第三共和政についての詳しい記述は貴重。

モロワの三部作は1994年ごろ特別復刊されたきり。何とか新刊として手に入る状態にしてくれないでしょうか。

アンドレ・モロワ 『アメリカ史 上・下』 (新潮文庫)

Filed under: アメリカ — 万年初心者 @ 21:38

『英国史』と同じく、13州植民地の成り立ちから独立後は大統領の任期ごと地道に叙述を重ねていくオーソドックスさが初学者には助かる。

ジャクソンからリンカーンの間、リンカーンからマッキンリーの間のマイナー大統領もきちんと取り上げられていて、それが結構興味深い人物だったりする。

南北戦争の辺りでは奴隷問題についての南部の言い分も載せていて、現在の言論状況より公平な印象を受ける。

2006年5月28日

アンドレ・モロワ 『英国史 上・下』 (新潮文庫)

Filed under: イギリス — 万年初心者 @ 20:17

最近の概説書とは異なり、国王の治世を一つ一つたどりながら、政治史を物語として組み立てて行き、その合い間に社会、文化、経済の変化を述べるという、古臭いと言えば古臭い叙述スタイル。

だが初心者にはそういった時代遅れとも言える叙述の方がわかりやすい。

どこかの出版社が、これくらいのレベルの啓蒙書を多く出してくれないだろうか。

林健太郎 『ワイマル共和国』 (中公新書)

Filed under: ドイツ — 万年初心者 @ 19:58

60年代初めに書かれたワイマール共和国の通史だが、まるで歴史小説のように面白く読める。

史実をよく整理された形で、明晰な文章でわかりやすく叙述し、左右の全体主義を排する立場から適切な評言を加えていく。

一般向け歴史叙述のお手本とも言える文句無しの傑作。

宮崎市定 『大唐帝国』 (中公文庫)

Filed under: 中国 — 万年初心者 @ 15:38

数種類ある宮崎先生の時代別概説書では一番面白い。

時期的には後漢の崩壊から唐の滅亡まで、宮崎氏の定義では中国の中世の歴史を扱う。

五胡の侵入をゲルマン民族大移動に、東晋王朝を東ローマ帝国に例えたりする視点が素人には実に面白い。

的確に重要史実を述べ、興味深い逸話を挟みながら、自身の学説をわかりやすい形で提示するという概説書のお手本のような書。

著者の語り口の見事さはすべての著作に共通している。

何度も読み返すに足る充実した内容を持っていると思う。

宮崎市定 『中国史 上・下』 (岩波書店)

Filed under: 中国 — 万年初心者 @ 13:34

大学入学してすぐの頃、中公文庫の『世界の歴史』全16巻を通読した。

興味深いと思った巻もあったが、冗長に思えたところもあり、特に近現代の巻は首をかしげるような部分も多かった。

その中で宮崎市定氏編集の巻、『宋と元』の面白さが圧倒的に思えた。

その後、大学図書館で宮崎氏の『中国史 上・下』を見つけ、パラパラ眺めた後、帰り道の大型書店で即購入。

この種の中国史概説書というのは腐るほどの数があるが、これは全く隔絶した出来栄え。

冒頭の独自の時代区分論からして素人には新鮮な驚きの連続。

巧みな史実の語り口、歴史的事件の的確な評価、魅力的な人物描写と何をとっても素晴らしい。

以後、宮崎氏の著書は本屋で見かける度、即購入することになった。

初心者向け中国史入門書としては最も優れていると思う。

岡崎久彦 『戦略的思考とは何か』 (中公新書)

Filed under: 国際関係・外交 — 万年初心者 @ 13:19

いわゆる「親米保守派」の代表格として、一部で蛇蝎の如く嫌われている著者だが、この本の前半で紹介されている日本が置かれた歴史的地政学的環境の概説はわかりやすく有益。

後半の1980年代前半の冷戦最終対決期における国防論はやや古さを感じて意義が低下したと思われるが、近現代史入門書としては今も良書と思われる。

高坂正堯 『国際政治』 (中公新書)

Filed under: 国際関係・外交 — 万年初心者 @ 12:24

これも高校卒業間際の購入。一読し強い影響を受ける。

軍備と平和、土地改革の真の意味、帝国主義という政治現象の真因等、自分が漠然と持っていた固定観念が全く覆されるのを感じた。

60年代半ば現実主義の立場から書かれた国際政治入門書だが、現在に至るまで絶版にならず読み継がれ、今も教えられることが多い。

初学者でも楽に読める。

2006年5月27日

高坂正堯 『現代の国際政治』 (講談社学術文庫)

Filed under: 国際関係・外交 — 万年初心者 @ 23:33

高校卒業間際、初めて買った歴史・政治関係の硬い本。

以後目に付く限り高坂先生の本を買い漁ることになる。

さらにその中で触れられている書籍を買うという具合で、自分にとって知識の元になった著者だった。

正直最初読んだときは強い印象を受けなかったが、読み返していくと、歴史への深い素養を備えた著者による、極めて有用な歴史叙述に思えてくる。

第二次世界大戦後の国際関係史としては標準的で初心者にも有益。

はじめに

Filed under: はじめに — 万年初心者 @ 23:15

世界史に興味がある素人の読書ブログです。

・高校世界史を大体理解してるくらいのレベルから出発

・日本史にはあまり興味がない。(近代外交史除く)

・政治史、外交史、戦史、伝記中心。社会史、経済史、文化史にはあまり興味なし。

・外国語は一切読めない。

・哲学・思想関係の少しでも難しい抽象的議論はわからないので読まない。

・絶版で新刊として手に入らない本も多いですが、最近はネット古書店で見つかることも多いので、もし興味を持たれた本があれば、まず図書館で内容を確認されてから古書店サイトで検索して頂ければ宜しいかと思います。

いつまで続くかわかりませんが、ポツポツやって行きます。

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